A.I.の少女兵器
□22話
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あたしは再び展望台に向かって走る。
けど急ぎすぎて石につまずき転んだ。
「イテテ…」
……メンテの人ちゃんと整備してくれたのかな?仕事休むって言ったから手を抜かれたかな?
なーんてあたしの足が遅いだけだよね?
こんなことじゃツナに追いつかれちゃうよ
あたしは一度暗い夜道を振り返った。
後ろは暗いだけで、誰かが来る気配なんてしなくて……
「あと、少し…ツナ、もう少しで展望台に着くよ?」
我慢してた、心の言葉が溢れて来る。
「何で来ないの…?ツナ!どこにいるの!?今何してるの!?」
空に向かって叫ぶ。
するとその瞬間、頭の中に何かが入り込んでくる。
…これは、衛星情報?
「何これ。いや!ツナの監視情報?データベース侵入?いやだ、こんなの…!
うそ、やだ、見たくない!いや!
止めてぇぇぇぇ!!」
あたしの言葉に反応するように背中が変形し、圧縮砲が空へと飛ぶ。
バチバチバチと空が光り―――衛星が散った。
叫んだため喉がヒリヒリする。唾を飲みこんでツナと一緒にいた人を呟く。
「…京子、ちゃん…?」
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