A.I.の少女兵器2
□41話
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ここに滞在して一週間。
鈴音は昔話をよく話すようになった。
確認するように、慈しむように、俺たちの恋をゆっくり鈴音は語る。
ゆっくり、幸せそうに。
「鈴音、ちょっと電話してくる」
「はーい!気を付けてね」
「うん、行ってきます」
うまく電波が入らないから、俺は本部と連絡を取る時ここから少し移動する。
裏の丘には大きな一本杉があって下は電波が来る。
鈴音に嫌な言葉を聞いてほしくない、というのもあるけど…
「………?」
今日は先客がいた。
黒服の、男―――…
一瞬ボンゴレを狙いに来たマフィアと思ったけど、違う。こいつは…
「私はネファーネクトの研究員です」
「な、何しにきた!」
普通に歩み寄ってきた男に身構えると、何かを握らされた。
これは、クスリ?
男を見ると一礼されて薬に視線を落した。
「終わりを救うことはできません」
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