A.I.の少女兵器2
□44話
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俺は罪を犯した。
自分の利己的な衝動で鈴音を裏切り、この星に鈴音を放った。
すぐに黒塗りの車がやってきて鈴音は運ばれどこかに連れて行かれる。
「知りたいですか?…本当の彼女を」
人には知らなければよかったと思うことがたくさんあります。
知らなければ本当に大切なものだけ見ていられたのに、と。
かけがえのない一度きりの人生の時間を、最後まで、諦めることなく精一杯生きていられたのに、と。
それでも知りたいですか?
「…鈴音は!生きられますか!?」
「…おそらく。どんな形でかは私には分りませんが」
ある研究所のトップの者は仮説を立てました。
彼女の細胞は、「人類そのもの」だと。
人類が始まってからの歴史をもう一度繰り返しているようなもの。
その先にあるのは破滅か、永遠か。決めるのはもしかして人類なのかもしれない。
「鈴音は、生きますか?」
「…生きます」
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