Memo

気まぐネタ帳(。・ω・。)
何でも投下するのでカオスになるかも

気分で顔文字を使用する場合がありますのでご了承を

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◆庭球:一緒に壊れてあげる 


「何故だ」
「…ッ……」

柳くんに思い切り壁に押しつけられ背中が痛んだ。でも私の瞳しか見ていないから気付くわけもなく壊れたように何故だ何故だと問い掛けられる。
壊れたように?とっくに、壊れてるんだ。
私たちが会った瞬間から柳くんは盲目的に恋をした。向けられた愛情が歪んでいることに気付かなかった私はごく普通に柳くんの告白に喜び付き合ってしまった。

「何故弦一郎と話した。何故俺を見ない」
「私は…っ」
「俺だけを見ればいいんだ…こんなに愛してるというのに…俺だけを愛せ」

押し付けられたら肩が悲鳴をあげる。同時に込み上げる痛いという言葉も唇を噛み堪える。
本気で暴れれば逃げれるだろうし柳くんも我に返るかもしれない。そもそも愛情が行き過ぎてしまっただけで私を傷つけようとはしないんだ。でも…動けない。柳くんの瞳に見え隠れするその愛情以外のものが気になってしまって…振り払うことなんて出来なかった。

「俺を…愛してくれ、」
「柳くん…?」
「お願いだ、どこにも行かないでくれ」

寂しいんだ

嗚呼、駄目だよそれは……キツく抱き締められながら遠くを見つめた。深い深い愛情のなかに埋もれていたのは"愛されたい"という感情だった。
駄目だよ私に弱さを見せちゃったら。幸村からも私は『人の"弱さ"に弱い』と評価されたんだから。見捨てることなんて出来ない。

「蓮二くん」

だから私は精一杯の愛情を込めて抱き締める。
蓮二くん蓮二くんと愛しい名を呼んで

「大好き…だよ。もう蓮二くんしか見ない」

誰とも会わないしお話もしない。蓮二くんの望むようにすればあなたは救われる?もう泣かない?

「愛し、て る…」


一緒に壊れてあげる
 (それが私の精一杯の優しさ)

2013/02/10(Sun) 13:57

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