A.I.の少女兵器

□05話
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鈴音ちゃんが帰ってきた。

イタリアから日本に。1ヶ月ぶりに!

俺はそれがすごく嬉しくて、殺し屋がきたことなんか忘れて全速力で走っていた。





「―――――!」
「―――!!」




「……へっ?」



どこか後ろの方で言い合うような声が聞こえた。

思わず立ち止まっちゃったけど…あ、リボーンの言ってた殺し屋だったらどうしよう!?





「ば、化け物ッ!」
バァーーン

「逃げるぞ!」
バァーーン




じゅ、銃声!?
本当にマフィアだ…!逃げた方がいいよねこれ…




「(でも、誰が……)」




そう思った瞬間、とても嫌な予感が頭を駆け抜けた。







パァーーン!
「キャア!」


「えっ…?」



今聞こえたのは確かに女の子の声。

気付いたら俺は声の方向に走っていた。嫌な予感がしている。逃げろと言っている。

だけど…俺は―――――





「あ…!」



争い声が聞こえた場所では、すごい土煙が立っていた。


そして、少しずつ煙が晴れ。立っている者の姿が見えてた。





























「鈴音ちゃん…?」


「ツナ……」


















久しぶりに会えた嬉しさが込み上がり、そして一瞬にして消えた。

頭が真っ白になり、何も考えられなくなる。






だって、

鈴音ちゃんの背中から、奇妙な翼が生えていたから。


鈴音ちゃんの右腕から、大きな剣が生えていたから。


鈴音ちゃんの左腕から、大きな銃が生えていたから。




鈴音ちゃんの周りで 死体 が転がっていたから…。





「ツナ…ごめん。あたし…こんな体に、されちゃった」




鈴音ちゃんは泣きそうな顔をし、地面に倒れこんだ。




「鈴音ちゃんっ!?鈴音ちゃん!!」



急いで駆け寄って、触れた。

手がすっごく冷たて、体温がないくらいに冷たくて、
……そして気づいた。










(…心臓が動いてない…?)





end
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