A.I.の少女兵器
□06話
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3人とも何も言わずにいると、沈黙を破るようにポケットから音楽が流れ、携帯を取り出す。
画面を見て鈴音ちゃんは目を細めた。
「……もう行くね」
「どこにだ?」
すぐ反応したリボーンは質問する。
鈴音ちゃんは一瞬悲しい顔をして、目を俺たちから逸らした。
「レジェンダ。あたしをこんな体にした人達の所」
「何で!?何で行くの!?」
「…父さんが隔離されてる。下手に逆らって父さんが傷つくのは嫌なの」
「でも…」
「唯一の肉親なの!」
幼いうちに母を亡くして、父は病気。
今まで必死に生活してきた苦労を、楽に生きてきた俺は知らない。
鈴音ちゃんはごめん、と力なく笑う。
「鈴音ちゃん!何か合ったら…また来て!何でも相談乗るから!」
「ツナ…」
「また明日!学校で会おうね!」
「うん…!ありがとうツナ、また明日!」
嬉しそうな顔で小さく手を振ってくれた。
そして、鈴音ちゃんは黒いスーツを着た男の人に連れて行かれた。
end