A.I.の少女兵器

□07話
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「鈴音ちゃん…それって、治るの?」

「…聞くの忘れた。今度聞いてみる」

「教えてくれるの?」

「分かんないけど…あの人達、親切だし…」




親切なんだ。
―――――ってかさ。



「これ以上酷い人いる!?人の体勝手に改造して!!」


「本当に親切だし!」



―――あ、しまっ…た。
遅いと感じた時には、鈴音ちゃんは目を伏せ悲しそうに笑っている。
何してるんだよ、何言ってるんだよ、俺。



「しょうがないんだよ。きっと上の人に言われてさ。
あたし気付いたら本部から移動されてたから直接体いじった人に会ってないし…」




一番傷付いてるのは、鈴音ちゃんなのに。
いつものように笑われてすぐにそのことを忘れてしまう。

不意にポケットから音楽が流れた。



「…あ、ゴメン。仕事が入っちゃた。悪い2人とも行かないと」

「仕事ってなんだ?」



リボーンが聞くと、鈴音ちゃんは悲しい顔をして







戦争…とか?」





と小さく言った。




「あ、でも大丈夫だよ!なるべくテスト期間中は出撃しないって言ってたし。
これ以上勉強の遅れは出ない…と思う!」




のん気だな!心の中で突っ込んだ。
な、何だか鈴音ちゃんフィルターを通して聞いてると怪しい…
勝手にのん気な感じが含まれてきて…大変なことが分からなくなってくる。


本当はもっと―――




「じゃ、ちょっと行ってくる」




ちょっと。
どこに行って、何をしてくるんだろう。




「心配しないでね!」




どうすれば心配しないでいられるんだろう。






本当のことを知ってて、話しを聞いてやれて、気付いてやれる。

友達の俺。

でもこの現実はほど遠い話であって、俺がどうこうできるものじゃない。




俺は…何が出来る?

友達が、苦しんでる友達に対して。

まぬけに手を振ってやること以外――――何が!!




end
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