A.I.の少女兵器
□09話
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ちょっと久しぶりの一緒の下校。
小学校の時はよく一緒だったけど、中学ではすれ違ってばっかりだった。
「なんか懐かしいねー」
「そうだね。やっぱ中学って忙しいし…」
俺たちは友達の事とか、今夢中になっている事とか、ゲームや音楽の話をしていた。
なんだか時間が戻った感じがしてすっごく嬉しい。
「あ、ここから別だね。じゃあ明日―――」
「ま、待って鈴音ちゃん!」
鈴音ちゃんが右に行こうとしたのを手を掴んで止める。
不思議そうに首を傾げられた。
「無理して、笑わなくたっていいんだよ?」
「…バレた?」
頷くと鈴音ちゃんは困ったような顔になる。
「けっこう付き合い長いし…見てるし」
「ん?」
鈍い鈴音ちゃんは、小さく首を傾げた。
「俺はダメツナで……すぐ諦めがちだけど、これだけは言わせて」
俺は深呼吸をした。
ドキドキと心臓が五月蝿いくて、頭がぐちゃぐちゃになりそう。
でも、これだけははっきり言う。
「俺!鈴音ちゃんのことが好きだ!」
「…………へ?」
しばらく固まって動かなくなった。
多分まだ脳に到達してないんだなーとか思いつつ様子を見てみると、顔がどんどん赤くなっていってた。
目がしっかりと合うとさらに赤くなる。
「は、ぇぇ……」
「え、えっと…」
俺も顔が赤くなってきた。
何だか逃げそうな鈴音ちゃんの手を必死に掴む。
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