A.I.の少女兵器
□09話
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鈴音ちゃんは困った顔で、逃げようとする。
「…でもッあたし 兵器 だよ?」
その言葉は、とてつもなく重く。俺たちの間の空気を凍らせた。
もちろんそんな事知ってる。
知ってて言ってる。
「あたし…もう人間じゃないんだよ!?」
「…ごめん、それでも好き。鈴音ちゃんは俺の事嫌い?」
俯いている鈴音ちゃんに聞くと、ブンブンと首を振った。
顔を上げると、すごく真っ赤になっている。
「嫌いじゃない!あ、あたしも……ツナのことが好き!」
「ホ、ホント?」
「あたしも、ずっとずっと好きだった…!」
叫ぶように言うと、鈴音ちゃんは泣いてしまった。
俺がオロオロしてたら今度は笑う。
それに安心したら何だか俺もいつの間にか笑ってた。
そして、俺たちはその日から付き合い始めた。
悲しみを埋め合わせるように。
俺たちは恋していく。
⇒あとがき