A.I.の少女兵器2
□28話
2ページ/2ページ
ドォォン
グシャッ
ビチャ
バァァン
イタリアの道路が赤に染まる。
そしてあたしの変形した腕も赤に染まった。
「……久しぶり」
この全てを忘れられる暴れる感じも血の匂いも人を殺す、気持ち悪い感覚も2週間ぶり。
まだ切り替わってないせいで何も考えられない。
「……聞いてるかい?鈴音」
「あれ、いつの間にいたの?」
気付いたら肩にマーモンが乗ってる。
「大丈夫かい?」
「うん。でもなにも思わない感じが怖い」
「<黒の殺戮者>も人間らしいところがあるんだね」
皮肉っぽい声にあたしは少し苛立った。
人間らしいって…あたしはこれでも人間だ。
体の半分、いやほとんどが兵器に犯されても人間だと言い張りたい。
ヒトを殺して、こんな世界を知ってももう引き返せないし。
「帰ろっか、マーモン」
「…質問するけど、人を殺すってどんな気分?」
いきなりな質問に首を傾げ、
あたしは決まってる、と少し笑った。
「死にたい気分だよ」
(もう死んだじゃないか)
(ハッ!な、なんてこったー!)
(………)
end