A.I.の少女兵器2

□32話
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俺は聞いた。

鈴音の小さな声にならない声で。あまりにささやかなこの世界の全て。


この世界に起こった人類の予定になかった出来事。
それによって引き裂かれた街 国々 人の体 信頼 約束 絆 想い



綴られる日記には、たまに俺に向けての言葉があった。

「好き」
「ありがとう」
「ごめんね」
「もう戻れない」
「こんな姿、見せられない」



普通の中学生に起きた背負いきれない出来事。

目の前でバタバタ死んでいくモノ。真っ赤に染まる自分で手。




「ッぅ……鈴音、…うぅ…」


涙が止まらない。
読んでいる俺の気がどうかなってしまいそう。震えが止まらない。




「仕方ないよ!こんなの…まと、もに受け止めたら…狂って――」




ふと鈴音の言葉が浮かんだ。





『あたしひとりが我慢すれば、丸く収まるし…』




ちくしょう…!

目を逸らすなよ!くそぉぉ!!



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