A.I.の少女兵器
□10話
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「ワォ、またギリギリだね2人共」
「お、おはよう…ございま、す…」
「疲れたー…ヒバリン登校時間延ばしてよー」
「君たちが急げばいいだけでしょ」
携帯が鳴るたび、鈴音は悲しい顔になる。
任務は嫌、行きたくない、殺しは悲しい、怖い。
「じゃーん!ツナのお弁当も作って来たよー!」
「うわー美味しそう!」
いっぱい傷付いて、いっぱい溜めこんで、いっぱい悲しんで。
でも鈴音は一度も仕事を断ったことはない。
泣いている姿も…一度も見てない。
「あ、これ美味しいね!」
「でしょ!自信作!」
馬鹿みたいに笑って、馬鹿みたいに生活してるのが、鈴音にとっても安らぎだと思うから。
だから俺はいっぱい鈴音に優しくして、ずっと笑ってようって思った。
はたから見ればただのバカップル。
鈴音の体のことは、本当はもっとずっと重要なことだけど。
ただ不器用に、前向きに。
このことを恋愛の問題なんかと置き換えて生きていこうと決めた。
今は、そんな俺たちのことを―――
どうか笑ってください。
end