A.I.の少女兵器
□12話
2ページ/5ページ
「あたしね…戦うと成長するの」
「え――?」
「強くなるんだ――どんどん、どんどん。兵器として」
ドクン
俺の、予感は当たっていた。
「昨日の戦争でのレンタルで…あたし、たった一撃で…」
俺は鈴音の悲しい顔を見たくなくて、抱き締めた。
「もういいよ。何も言わなくて…!」
「何も食べなかったら…成長しないと思って…」
「もういいよ!!」
「どうすればいいか分かんなくて…怖くて…」
「鈴音っ!!」
「自分の体なのにね…」
夕方の教室で俺は初めて鈴音を抱き締めた。
鈴音も俺にしがみついてくるけど、なんだかその力は弱々しくて…いつもより小さく思えて、壊れてしまう気がして、俺は少しだけ力を緩めた。
すぐ近くにある鈴音の髪からふわりと匂いがして…何だか……
何だか妙な気持ちに…!
「(鈴音が傷付いてるのに俺何考えて…!)」
「(あ、あたしこんな時に何考えてるんだ…!)」
心の中がもやもやしてきて、考えが変な方向にそれる。
.