A.I.の少女兵器
□13話
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「相手の現在位置確認
43°11′14.8″N
140°59′45.1″E 南々西に53.4km/h で移動中」
俺たちは自転車に乗って≪何か≫から逃げていた。
姿や存在すら確認することは出来ないけど、鈴音は「分かる」と言う。
「(鈴音…ホントに成長してる…!!)」
信じられなかったけど、逃げるにつれ鈴音の「精度」は確実に増していった。
「ツナ、250m先を右に!」
「分かった!」
でも俺はそれよりも…
少し前から鈴音の様子がおかしいことに気になっていた。
「っ……う…く」
「鈴音!?大丈夫?」
「大丈夫!危ないから前見てて!」
ヤメテ…来ナイデ
迂闊だった。いつもの自衛隊の人なら少し頑張れば逃げ切れると思ったのに
この人達少なくても一般人じゃない、マフィアだ
お願い!誰だか知らないけどこれ以上あたし達に近付かないで!
あたし…これ以上殺すのを我慢できない!
パキッ
「く…あ、だめ…ッ!」
「鈴音!?」
「だめ!後見ないで!」
ギュッと鈴音が服を掴むから前を向く
すると後ろからカチャンと音が聞こえ、次の瞬間――…
ドォォォォンッ
「い、今の何?!」
「逃げてツナ!振り返っちゃダメ!逃げてぇ!!」
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