A.I.の少女兵器
□18話
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「あー…楽しかったー」
「ホントに好きなんだね。誘ってよかった」
「うん!すっごい楽しかったよ!」
「そ、そうだ!鈴音これ一緒に撮ろうよ!」
俺が取り出したのはデジタルカメラ。
俺たちは一度も写真を取ったことはない。せっかく母さんから黙って借りてきたし
「…写真はイヤ」
「え?」
「だってさ、写真があったら安心しちゃうじゃん!本物のあたしがいる時は、あたしを見てほしい!」
「鈴音…」
「あたしがここにいる事を教えてほしい。1人ぼっちじゃないって教えてほしい!」
俺は頷いて、抱き締める。
鈴音も強く抱きついて来て、俺はそっと目を瞑った。
どのくらい俺たちはそのままだったのかな。
鈴音は小さく「終わりだねぇ」と呟いた。
「また来よう?もうバスで帰んないと」
「うん…」
この愛おしいものだけ、変わらないでいて欲しいと思うのは。
だだをこねる子供みたいで愚かなことかな?
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