闇口の世界理論
□不動峰高校
2ページ/5ページ
「鉄…お前…」
「ち、違う!俺はただ、襲われたから!」
「京介が…?」
「そうです!いきなり…お、俺は、何も」
鉄はその場に座り自分の手を見た。
京介の頭は握りこぶし大に陥没していて…生きているとは、思えない。
「…深司と辰徳を探してくる」
「俺も行きます橘さん!」
正直、鉄といたくなかった。
殺したいと思ってなくても興奮状態でなにが起きるかわからない。
鉄をその場で待たせることにして2人で歩き始める。
「きっと2人は大丈夫だ」
俺も心の中で祈るように呟いて探すと幸運にも辰徳と合流出来た。
少し錯乱してるが無事。あとは深司だけだと後ろを見ると―――深司が、ナニかを持って、立っていた。
「深司…!?」
「はぁー本当面倒だよなぁ。彼女も彼女で酷いしさ」
ヒュンッと風が横切る。
急いで振り向くと辰徳の、首が、飛んだ。
「ヒッ!?うわああああ!!」
「ま、惚れた弱みだよな。しょうがないや【記憶持ち】俺くらいだし」
「神尾!逃げろ!」
腰を抜かしながらも這いつくばって部室の方向へ逃げる。
橘さんが囮になっているのも気付かず。
.