闇口の世界理論
□立海大附属高校
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「おはよー あれ、ジャッカルだけ?」
「皆はどうした?」
放課後になり、幸村精市と柳蓮二が入ると部室にいたのは1人だけ。
唯一いるジャッカルは不安そうな目で2人を見た
「なんか仁王と柳生が連れて行った」
「何かあったのかな?」
「慌ててたぜ。俺は残ったけど」
「…気配があったから2人に訊かれていたんだろう」
「そうみたいだね。あー面倒だな」
ジャッカルは少し後ろに後ずさる。
一瞬で変わった“気”のようなものだと察したのだろう。
それが俗にいう“殺気”というものだと本能的に、危機を感じて逃げようとする。
「ジャッカルは愚かだな。聞いただろう」
「俺達が皆を…殺すってさ」
背を向けるのは危険と判断したジャッカルは逆に2人に向かって走った。
それに少なからず驚いた2人はとっさに武器を横凪に振るう。
それを滑り込むことで避け、ジャッカルはドアから出ていった。
外ではブン太の急かす声も聞こえる。
「逃げられてしまったな」
小さく溜め息をついて幸村精市――零崎真識は笑いながら言った。
零 崎 を 始 め な く ちゃ