闇口の世界理論

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「のぉ夜魅」


声をかけられ、顔をあげるとそこにはB組の仁王雅治くんがいた。隣りには丸井ブン太くんもいる。

嫌な予感がしてさっと周りを見渡すけど、皆遠巻きに見ているし仄花もいない。

立海人気3のに入ってる2人を相手するのはな…
芸能人オーラみたいのがふぁぁぁっと出ているし、仁王雅治くんの艶然な笑みが眩しいよ。


「ちょっと時間貰えるか?」


出口をさっと見ると2人が移動して正面に仁王くん、右に丸井くん。
……道塞がれた。


「単刀直入に言う、テニス部のマネになっとくれ」

「ごめん、忙しいから無理かな」



迷いもなく答えると丸井くんがやっぱりなと溜め息。

マネ―ジャーを頼まれることは少なくない。それは私の入っている『異文化研究部』は兼部が認められているからでもある。
でも自分で選んだ部活。楽しいし研究部でも手を抜くつもりはさらさらない。



「譲れないの!ごめんね!」

「あ、おい!」


バックを掴んで廊下にダッシュ。
テニス部の勧誘はしつこいらしいから早抜けが吉。部長さんがいなくてよかった。
2人で軽く手を振り私は部活に急いだ。



「今度なんか奢るからそれで手を打ってね!」





(今度ミスド奢れよー!)
(そういう問題じゃなか、ブンちゃん)

end

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