闇口の世界理論
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「岐乃―――!!!」
鬼と化して入ってきたのは風紀委員長の真田弦一郎くん。
ノックしないのは乱入がいつものことで、校則違反の岐乃さんを取り締まるためにやってきてる。
噂では部長の違反は真田くんに喧嘩売るためだとか…
ツカツカ歩み寄って説教を始めたが、ニタニタ笑う岐乃さんが私を指差した。
真田くんが石化したように固まる。
「な、ん、なんて格好しておるのだ秋月!!」
「え?サリーだけど?」
「そ、そのように肌を晒して…!」
一般的にインドで来ている赤いチョリと金の刺繍入りの赤いサリー。
に、岐乃さんが手を加えて背中が開いている。サリーで隠そうにも生地を薄くて透けてる。
「…あ、本当だ露出が多い」
「あれれー? も し か し て弦一郎照れてる?」
「照れてなど…!」
「秋月ちゃん今度胸元開けようねー」
「たるんどるー!!」
ああ、また卒倒している。
岐乃さんを通して知り合っている真田くんは何故か私の民族衣装姿を見て顔を真っ赤にしてしまう。
露出度に関わらず、だ。
そしてその場に固まってしまって動かない真田くんを回収(?)してくれるのは同じ委員会らしい柳生くん。
とっても助かってます柳生くん。紳士ですね。
end