闇口の世界理論

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今日は他国の文化について。
部活で得た知識を総動員させてなんとか柳くんについていくように知的なお話をさせてもらった。

お弁当も食べ終わって仕舞うと、ふと柳くんは真剣な顔になった(気がする)



「時に、夜魅」

「なに?」

「……注意、いや警告だ」


糸目を薄く開き、顔を覗きこむように目の高さを合わせた。
自然と私の顔を引き締まる。



「テニス部の者にマネージャーになるように言われただろう」

「うん」

「あれは精市の提案だ。俺には覆せない」

「………」

「その上仁王と丸井も乗り気だ。逃げきるのは難しいだろう」



確かにあの微笑の魔王こと幸村精市くんから逃げるのは無理だと思う。怖いし。
あと最近、視線の先に仁王くんがいたりする。
丸井くんに挨拶されたり手を振られてたりする記憶もある。
ああ、まだ何も奢ってないからかな。



「俺は無理強いしたくない」


溜め息のようなものが零れる。



「特に異文化研究会の発表は興味深い」

「あ、岐乃さんと仲良いですよね」

「派手な奴だが知識は確かだからな」



ふっと軽く笑って柳さんは私から顔を遠ざけた。
張り詰めていた空気が和らぐ。


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