A.I.の少女兵器2
□39話
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言葉もなく、確かめるように噛みしめるように抱き締めて数分。
静寂を破ったのはツナ。
「…やっと、見つけた」
ずっと探してたんだよ?と少し腕の力が強まった。
「…あたしと居ると、傷つくよ」
「それでも離さない。――今さら、忘れるわけないよ」
「………うん、」
忘れられなかった。
ルッスとお茶をしてもベルと馬鹿騒ぎしても寂しさが胸に仕えていた。
ツナが好きで、大好きで、あるか分からない心がずきずきと痛む。
「いろいろな事が合ったよ、ツナ」
「うん。俺もあった…いろいろな事」
話したい事も、話したくない事も、苦しいことも楽しいこともあった。
きっとあたしが知らない所で、覚悟を決めて変わったんだと思う。こんなに強くて優しい目を見たのは初めてだったから。
ツナはもう一度だけ強く抱きしめると、そっと体を離した。
「鈴音、俺と一緒に行こう」
手を差し出される。
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