A.I.の少女兵器2
□43話
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それは小動物が捕食者に対峙したときに抱く感情?
うまく声が出せない中、鈴音の兵器の部分が、鈴音のヒトの部分を喰らっていた。
ブチブチと千切れミシミシと砕ける痛みの中、意識はあるようで俺を見ている。
「鈴音?嘘、だろ…なにこれ…」
「――――――」
「鈴音…鈴音…」
「――――――――――」
「バカ!仕方なくなんて!!」
雑音にかき消されながら微かに、本当に微かに聞こえる声。
何だよ!なんなんだよこれ…これじゃああまりにも酷過ぎるだろ!?
喰らう兵器の部分を掴むと電撃が爆ぜ、激痛が走った。
それでも俺は引き千切るようにそれを掴む。こうすれば助かる?わからない
「―――!」
やめろなんて、出来ないよ。
俺の手がズタボロになりながら、感情が溢れてくるのが分かる。
恐怖、哀しみ、怒り、憎しみ、優しさ、哀れみ…ああ、どうしようもないほどの 愛 情