闇口の世界理論

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「夜魅、この件本当にやばいよ」


仄花は声をひそめて真剣な顔で言う。
いつもHR直前はうるさいのに不気味な静けさがある。自分が思ったより大変なことになっているみたいだ。

私は今までうまく逃げてきたけど、テニス部が動くことにもっと危機感を感じた方がいいかも。



「あれ、見て」


鏡越しに見た方向を盗み見ると、HR5分前なのに人だかり。
しかも女子だらけだ。



「ファンクラブの怖モテお姉さまだよ」

「…………」

「しばらく私の傍離れないで、一人に絶対ならないで」

「……分かった」


本気で潰しにかかってくる可能性がある、ということか。

ファンクラブの怖さは被害に遭わなかっただけでどれだけのことか知ってる。
小学校でも陰険な苛めはあったけど、学年が上がるとより酷いことになるのは明白。


「仄花様の傍にいれば大丈夫だからね」




波乱の予感
  (仄花格好いい…惚れそう…)
  (もっと危機感持ってよ!!)




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