闇口の世界理論
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「夜魅―――!!!!」
HR開始10分前、朝練が終わったらしい仄花が突進してくる。
避ける。
ドガッと鈍い音と共に壁に激突。
「夜魅、大丈夫なの!?」
ノーダメージだった。運動部ってこんなに頑丈なのか。
思いきり顔面強打してたよね?
「あの羊の皮被った悪魔に何もされなかった!?」
「何もなかったよ」
「ちゃんと断った?」
教室が若干静かになった気がする。堂々手をつないでコートに入ったし…噂になって当然か。
ヒソヒソと囁く男女に溜め息をつきながら厄介だと思う。
部活の件での噂が主だけど、どうやら彼氏説もあるらしい。
「もちろん断ったよ」
私異文化研究部員だし。
入る目的もないし予定もないしテニス部興味ないし。
「じゃあ何もされてない?獣の巣窟で襲われない?」
「大丈夫。面倒な事にはなったけど」
「何!?脅迫された!?」
相変わらず仄花は私に過保護だよな…ガクガク揺するのやめてほしい。
何故か私は【入らない条件】として全員とメルアドを交換する羽目となった。8つ増えた連絡先。
いや本当に何で入らないのに条件とか付けられたんだろう。
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