闇口の世界理論
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「夜魅せんぱーい!!」
「…切原くん?」
第一会議室の前で仄花を待っているとブンブン手を振ってやってきた切原くん。
相変わらずの人懐っこそうな笑顔で隣までやってきた。
可愛い笑顔だな、と顔を緩んだが一瞬のうちに引きつってしまった。
「偶然だね夜魅さん」
なんで幸村くんまでいるんですか。
「お昼食べに行かないんですか夜魅先輩?」
「友達待ってるの。委員会中」
仄花はバレー部部長だから中央委員会にはどうしても出席しなければならない。
その間一人になってしまう私はここで隠れるように待ちやりすごす。
「終わるまで俺等と食べましょうよ!屋上を占領したんで」
「え、でも…」
「行こうよ夜魅さん」
「嫌です」
「何か俺に風あたり強くない?」
ごめんなさい思わず笑顔できっぱりはっきり言っちゃった自分たら正直だなもう。
幸村くんに近づくなと本能が警鐘を鳴らすから駄目。
でも…
「ダメなんですか…夜魅先輩」
しょんぼりする切原くんを見てるとものすごーく罪悪感が。
おかしいな私は何も悪くないはずなのに…
「俺、夜魅先輩とお昼食べたいんスけど…」
「…………うん」
なに頷いてるんだ私。
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