闇口の世界理論

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「へー結構好みだな」

商品を見るのは遅いくせに好みお店を探すのは足早なのは女子の定め。
若干男性群を置き去りしつつ私はいい店を探す。


「夜魅、あの店なんてどうだ?」

「へぇ…柳くんセンスいい!行こう行こう」

「嬉しそうじゃの〜」

柳くんが指差したのはアンティーク物の雑貨屋。
私のデータ集めてるだけあって好みを知っていてくれてる気がする。
その微笑も格好よく見えるよ!…現在進行形でノートにガガガガガッ!と書くのを見なければね。


「私もこういう所は好きですね」

「柳生くんも?どんなの好きなの?」

「そうですね…小物入れでもこれは本棚に並べたいです」

「あ、私も持ってる持ってる」

手に取ったのは洋書の形をした小物入れ。
私もこういうのは好きだから小さめのを3つインテリアとして飾っている。


「真田くんは何見てるの?」

「む……」

「わぉ…」

真田くんが眉を寄せて悩んでるのが面白くって覗くと手元に硯が。
…好きそうだよね。でも何故この店にあるし。そしてなんてお値段も立派なんでしょう。

「くっ…雄勝硯が良いのだがこの端渓硯もなかなか…!」

あ、私の分からない世界に入っちゃった。
どうぞ存分に悩んでください


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