闇口の世界理論

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その後もなかなかマニアックな一品が眠る面白いアンティークショップを見終わり
それぞれの買い物を済ませてお店をぞろぞろと出た。
私は小鳥に一目惚れして森をイメージした木製のフォトフレームを購入。
幸村くんは謎のおどろおどろしい魔道書っぽいものを買っていた。だから何故あるし。

その後もいくつかのお店を周り、気のゆくままに買っていく。
あ、もちろん荷物は男子持ちね?物買わせてるわけじゃないからいいでしょ?
クレープとアイスティーは奢ってもらったけど。


「うわ!あの人達格好いい〜!」
「でもなんか真ん中に女いるよ?逆ハーレム?」
「うわっマジだ!」

そうコソコソ呟くのが聞こえた。
いつも通り気にしないでいるといきなり幸村くんに肩を抱かれた。
驚いて見上げると幸村くんはさきほどの女子にニッコリと笑いかけていた。私の肩を抱いたまま。
何となく意味が分かって私も最高の笑顔で女子に笑いかける。

案の定顔を真っ赤にさせて走り去ってった。


「……ふふ」
「……あは」

「ぶふっ 何じゃお前ら、最高…!」

「天才的だろぃ二人とも!」

途端笑い出した仁王くんたち。
なるほど素晴らしい教訓を得た。こういう時は無視よりも喧嘩売るくらいがいいのか。


「…ありがとう幸村くん」

「どういたしまして、夜魅のためなら」

素直に出た感謝の言葉に幸村くんはさっきり作り笑いとは違う優しい笑顔を浮かべた。
うん、いい笑顔だね。
肩の手さっさと取って欲しいな。



親睦会
 (得たのは新しい教訓)


End
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