闇口の世界理論

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ファンクラブの風当たりが強くなったのは言わずもがなだし、想像くらいは簡単につくだろうから多くは語らない。
私はただいつも通り堂々としてただけだし。話せることもないや。
怖くないってわけではないけどさ…弱さを見せたら負けだし。

…いや、ファンクラブよりも怖いものが今現在目の前にいるし。


「さぁ夜魅さん正座してくれるー?」

「い、いやだー☆ って言ったら?」

「イップス」

「はい」


幸村くんのイップスのほうが何倍も怖い。
ご丁寧に柳生くんからもらった座布団(なぜ部室にある)に正座する。皆止めてくれないんだね。裏切り者。
まぁ私も絶対止めに入らないけど。


「ねぇ何でファンクラブのこと黙ってたの?俺達に言うことは?」

「えー特にない?」

「あるよね?」

「…ごめんごめん。でも別に殴られもしてないし?体に傷ついてないしいいじゃん」

「そりゃ傷ついてたら大事だよ」

「俺たちもそれ相応の措置は取らせてもらう」


そうですか。テニス部ツートップ(幸村くんと柳くん)が怖い。

ん?ていうか何で柳くんが怒ってるわけ?
もともとの原因って柳くんがこの私にキスしてきてファンクラブに目付けられたんだよね。


「そこはいいの?」

「まぁ蓮二のことはどうでもいいよ。一夜魅を狙う者として先を越されただけだから」


…はぁ。狙ってたのか。
それ本人目の前にして言うことじゃないと思うけど。


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