二次創作小説
□あなたのおかげ
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そう思うと涙が出てきそうな衝動に襲われた。
私は鼻をすすって、目尻を手でふく。
「アニー」
その姿を見た、ヴェイグさんが私に近づき、
抱きしめてくれた。
「えっ、ヴぇ、ヴェイグさんっ!?」
こ、こんなところ、誰かに見られたら―!
「アニー、お前はよくやった」
「は、はいっ」
「よく頑張ったな。きっともう大丈夫だ」
まだガジュマへの憎しみは消えきっていない。
ユージーンともギクシャクしたままだ。
だけど私は今日変わることができた。
少しでも成長はした。
ガジュマの命を助けることができたのだから。
「ヴェイグさんっ……本当にありがとうっ」
もう誰かを助けられず後悔はしたくない。
誰かが死んでしまう悲しみは欲しくない。
だからこれからは助けよう。
そうしていくうちに、命に色はない。
その言葉へ、徐々に近づけるはず。
お父さんのような医者になるために。
「アニーが、いてくれて良かった」
そう言ってくれるヴェイグさんのためにも。
優しくなって、強くなって、みんなを救いたい。
私は今日から変わるんだ。
終わり><