二次創作小説
□あなたのおかげ
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「アニー、よく頑張ったな」
一通りの治療が終わり、ノルゼンの広場で休んでいると、ヴェイグさんが声をかけてくれた。
「ヴェイグさん」
「いろいろと、良かった」
そうヴェイグさんが微笑んでくれた。
この人の笑顔は優しくてとても素敵。
「いろいろって?」
「みんな助かって、アニーも立派になったじゃないか」
「……っ」
そう言われるのは照れくさい。
『命に色はない』
これは私の父の教えだ。
その意味が前までの私にはわからなかった。
でも、今はなんとなくだけど、わかってきた。
少しずつ、理解できるようになっていきたい。
そしていつか、お父さんのような医者になりたい。
ヒューマもガジュマも助けられる存在になりたい。
でも、そう思えたのは
「ヴェイグさん」
「なんだ?」
「ありがとうございます。ヴェイグさんがあの時、父の言葉を、命に色はないって、俺たちの命と変わらないっていってくれたから……」
よく考えたら、ヴェイグさんはずっと傍にいてくれた。
私が上手く治療できるか不安だなんて言ったから、傍にいて引っ張ってくれていた。
応援してくれた。
「俺は何もしていない」
「そんなこと、ないです……!」
ヴェイグさんは優しいから、無意識でそういうことができる人。
「私は、嬉しかったです」
今日の出来事で私はきっと、一歩くらいは前に勧めた。
それが嬉しい。
ヴェイグさん、キュリア先生、ユージーン、みんな私を信じてくれた。