夢 短編

□もう伝わらない
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「すごいじゃない。もうコントロールできてる」

自分の炎をコントロールできるようになれば、
自分の炎がほかの人よりも大きくて激しく燃えていることがわかった。

「君の炎なら、ヒトなんて簡単に殺せちゃうね」

残酷なことを言う時は絶対、彼の顔には笑みがあった。

「殺す?」

ただ正規軍ではそんなことありえないので。

「そう、殺すの。君の炎でじわじわと」

その発言に息を飲み、冷や汗をかいた。

この人はあぶない。

最初は私だってそう思っていた。
でもなんでだろう。

何度も何度も彼の冷酷な言葉を聞いて、
彼の部下になってから、
何度も何度も彼の残虐な任務を見た。


彼のフォルスも剣術もなんだか綺麗だった。
 
 
彼の言動に恐怖を感じることもなくなった。
 
 
「君はなかなか筋がいいね」

私も彼の真似をしてフォルスをつかいこなして、レイピアでヒトを斬った。

「ありがとうございます」

生温い上官より、
残酷なサレ様に褒められることが嬉しかった。

サレ様が褒めてくれると、本当に自分が強くなったと実感する。

だからもっと声を聴いていたかった。
もっともっと貴方の傍で強くなりたかった。

ずっと貴方の部下でいたかった。
 
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