夢 短編
□もう伝わらない
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「サレ様…」
血がついている彼の手をとり握り締めた。
「私は……、あなたが好きだった」
言えるはずがなかった言葉。
眠っている貴方を前にしてなら言える。
もう、届きはしないけど、
「ずっと、大好きでした……っ」
冷酷非情。
そう言われるあなたでも、
私のことを褒めてくれた。
残虐なあなただから
王の盾の仕事はまわっていたのだ。
たくさん動き回って
疲れたでしょう?
そろそろゆっくり休んでください。
「お疲れ様です、サレ様」
私の尊敬する上司。
私の愛する人。
どうか、貴方の魂が救われますように。。。
end