夢 短編

□私のご主人様
4ページ/5ページ

「せいぜい足は引っ張るなよ!」

でも独占したくなる。
あなたが慕っている陛下にも、
あなたとコンビネーションが抜群のプレザさんにも、
嫉妬してしまうほど。

「足は引っ張りませんよ。もしも私が倒れてしまったら見捨てればいいんですから」
「はあ?」
「私はいつでも死ぬ覚悟であなたの傍にいるんですよ」

死んだって構わない。
あなたが通った道で死ねるなら本望だ。
あなたが私の死を気にせずに任務に全うするのもありだ。

「何言ってんだよ。やっぱり馬鹿なんだな。脳みそつまってねーのか?」
「そんなことはありませんよ。当然のことを言ったまで」

死ぬその時まであなたの傍にいたい気持ち。
死んでもあなたに迷惑はかけたくない気持ち。

その二つを考慮するなら、任務中が一番死にふさわしい。


「てめーが死ぬことはねーんだよ!」


その言葉に不意をつかれて、
不覚にも私は一瞬慣れたはずの罵声に驚いて、

「私は強いからな!お前が手出しされることなく一瞬で全部ぶっ飛ばしてやる!」

あろうことか、涙を流しそうになってしまった。

「それは……とても頼もしいです。アグリア様」


死への覚悟も当然ある。

だが、あなたが強く頼りがいのある主であるのも事実。

そんなあなたの傍に、
私は一秒でも長くいたい。
それも事実。

わがままを言ってもいいのなら、
ずっと、ずっと、あなたの傍であなたを感じていたい。







終わり><
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ