緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第4話 脳内限界突破と亀裂
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SIDEキンジ


今日からアリアが居なくなり、平穏が戻っていた。


「ん、亜瑠は居ないのか一真」
「あぁ、先に出ていったぞ。確か『レキさんがアリアと会ってるみたいだからついていく』ってさ」
「アイツの情報網凄いな」
「それよりさっさとしないとバス乗り遅れるぞ。あと、傘も持ってけよ」
「あいよ」

親のように口うるさく言ってきたがいつものことなので軽く受け流した

「先に出るぞ」
「もう出るのか?」

バスの時間より20分も前だ、早すぎる
とも思えたが超模範生として通っていたり、朝練みたいなマジメっぷりを考えればなくもない。

一真が出てから10分後、いつもより早く出たはずが既にバスは満員で武藤がちょうどギリギリで乗ったところだった

「まて武藤!!乗せてくれ」
「諦めろキンジ、もう満員だ。諦めてチャリで来い」
「チャリはこの前ぶっ壊れたんだ。そうだ、一真は?」
「中だぜ、諦めろキンジ。走れば間に合うかもしれねぇぜ」
「何キロあると思ってんだ!?」
「知るか、運転手さん閉めてくれ」


待てという声も虚しきプシューと音をたてバスの扉が閉まった。
あぁ、雨も強くなってきた……1時間目間に合わないんだったら諦めるかな。いや、来年から一般校に行くと必要になる国語を手放したくはない、一真に頼めば済むか

prrrrr!

「誰だ人が葛藤してるときに……もしもし」
『キンジ今どこ?』

アリアだった。葛藤している間に授業が既に始まっていることに気付いた。
なら、何故アリアは電話をしてきた?

「強襲科のそばだ」
『ちょうどいいわ。そこでC装備にしてすぐに女子寮の上にきて』
「C装備?事件か」

C装備とはよくアサルトの強襲に使われる攻撃的な装備だ。それこそSATやSWATで使われる装備。

『詳しくは後、そこに菅原はいる?』
「居ない」
『分かったわ早く来なさいよ』


事件、小さい事件であってほしい
そんな希望はメンバーを見て打ち砕かれた。


屋上には無線機で誰かと話しているアリア、体育座りをしている狙撃科Sランクのレキ、携帯で誰かに電話をかけている亜瑠。
Sランクが二人いるということは大概が大きな事件だ

「時間切れね、もう1人位Sランクが欲しいところだけど出払ってるわ」
「こっちは車輌科が救急車を10台まで出せるって」
「十分ね、四人パーティーで追って事件を解決するわ。火力不足もあたしが補うわ」
「ちょっと待てお前ら、なんの事件だ?」
「バスジャックよ」
「バスジャック!?」
「ほら僕らの寮前に58分につく奴だよ」

なっ!?あのバスには武藤や一真が居るんだぞ。しかも満員で

「犯人は中にはいなさそうだな」
「多分ね、爆弾が仕掛けてあるし自爆テロ紛いのことはしないでしょ」
「一真が居るから犯人はいない、もし居たら捕まえてるだろうな」
「菅原が居るの?好都合ね」
「待て事件の詳細は」

アリアは俺がわけも分からない内に出動をしようとする

「『武偵殺し』の犯行よ」
「まて、武偵殺しはこの前逮捕されただろ」
「それは真犯人じゃないわ」
「は?これは模倣犯の仕業じゃなく本当の武偵殺しの仕業だと?」
「ええ」
「なら「うるさい、とりあえず今は目の前の事件の解決を優先!!」」

有無を言わさず俺達はヘリに乗せられて現場に連れられた


「アリア、警視庁とか東京武偵局は動いてないのか?」
「動いてるけどあたし達の方が先よ」
「見えました」

アリアと事件の詳細について話しているとレキが抑揚のない声でバスがいたことを告げる

「どこだ?」
「ホテル日航の前を右折しているはずです。バスの上に菅原さんが立っていました」
「よく人の顔まで分かったわね」
「いえ、あの青い髪に青いヘッドホンで分かりました」
「そんなことより立ってるってホントか?危険すぎる」

いくら一真でも雨が降り滑りやすくなったバスの屋根は危険だ、しかもC装備無しでだ

「行くわよ、いくらなんでも菅原1人じゃ危険だわ」


俺達はアリアと俺が降下、レキが援護で亜瑠もレキとともに待機、亜瑠も喜んだだろうな
と考えつつも強襲用パラシュートで降下し、久しぶりの空挺で危うくバスから落ちそうになるもアリアに腕を引かれて助かった

「あんた本気でやりなさいよ」
「今は本気だ」

そこに一真が現状報告に入る

「状況報告だ、敵はおそらく武偵殺しかそれの模倣犯、中の女子生徒のケータイが武偵殺しにすり替えられてそこから命令が下ってる」
「爆弾は?」
「カジンスキーβ型のC4、目視で3500立方センチの炸薬が入っている」
「武偵殺しの十八番ね。キンジ、中に入って現状を確認、指令をあたしのインカムに伝えて」
「分かった」

中に入ると泣きながらケータイを握っている女子生徒がナッツに慰められていた、おそらく武偵殺しにすり替えられたケータイの持ち主だろう


ガン!!

大きな音と衝撃がバス全体に伝わった

「アリア!?大丈夫か?」
『……』

応答がない、今の追突でやられたか?いや、あのアリアに限ってそれは無いだろう
しかし、もしもの事があればと思い再び屋根に戻ろうとした所に一真が大声で叫んだ

「皆伏せろ!!サブマシンガンだ!!」

ズダダダダ

「ぐぅ」
胸に被弾し車内に押し戻された所にバスがグラリと傾き対向車に接触する
バスの運転手が被弾したみたいだ、運転手は武偵ではないので防弾服を着ていなかったのだ

「武藤、運転手とかわれ誰かナッツの薬を運転手につけてやれ」
「まて、俺もう免停間近で…「時間がない」…ちくしょうが、やってやるよ」

愚痴をいう武藤に運転を任せ屋根に行くと一真の左腕に2発の弾丸が貫通、防弾制服はバスの後ろの窓に貼り付けて銃弾から生徒達を守っていた
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