緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第10話 アホと仇敵
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一真SIDE

太宰府に着いて二日目

兄さんが家に泊まり朝イチの飛行機で東京に帰り、夏希さんもどことなく元気になっていた


「皆、今日はちょっと行きたい所があるんだが、来るか?」

今日はアイツの命日、それも里帰りの一つの理由なんだが

「僕はいいよ、探検がてらにもなるし」
「そうだな、家でグダグダすりよりマシだな」
「日本についての勉強がわりね」
「私も構いません」

二つ返事で皆の意見が帰ってきた事を確認して二人の妹を呼ぶ

「優姫、優那。行くぞ」
「………」
「はい」

相変わらず優姫は無言で睨みをきかせてくる


「ん!カズに妹なんて居たの!?」
「まぁ一応な」
「ふーん、二人とも可愛いじゃない」
「ありがとうございます、神崎さん」

優那が神崎の言葉に反応し、礼をするが優姫は無視をする

「アンタもう少し愛想振り撒けないの?年上なんだけど?」
「大差ない身長の貴女に言われたくない、年上面するんだったらせめてレキさん位の身長になってから言ってくれる?」


なんで火に油を注ぐような事を…
すると案の定神崎に引火した

「身長は関係ない、それにレキも大して変わらないわよ。年上を敬いなさい!!」
「レキさんは雰囲気が大人なの。それにその年で結婚してないくせに」
「けけけ結婚!?なな何言ってんのよ!?」


神崎の顔が赤く染まる、レキ、言われ放題だぞ。

「姉さんは来年結婚するのよ」
「えぇ!?優那ちゃん結婚するの!?」

アルが驚きの声を上げる、というか収拾がつかなくなってきた…

「優姫、止めなさい。」
「でも「優姫!!」……はい」
「ごめんなさい神崎さん」
「あ、ううんいいよ。あたしも熱くなりすぎてたみたいだし」

優那は千紗の妹だと再認識する、千紗は夏希さん並みに気が強かった

優那の一声で収まり、目的地に向かうことにした


目的地は太宰府から少し離れた場所。
海沿いの山の頂上にあるお墓
アイツが殺されてから4年が経っていた。
ここは俺の初めての彼女で優那の姉だった『千紗』が眠っている場所だ


「ここって……お墓?」
「あぁ、俺の昔の彼女のな」

そう言うとキンジの体がピクッとした、おそらく理子が流した情報の中にあったのだろう

「良いのか?俺達がきて?」
「ああ、何より千紗が喜ぶ」


お墓の前に行き合掌した

(千紗、あの時は守れなくて悪かった。でもお前のおかげでステルスを上手く使えるようにもなったんだぞ。友人だってこんなに増えた。だから安らかに眠ってくれよ、俺はお前がゆっくり眠れるように仇をとってやるから)

天国に居るであろう千紗に話掛ける、優那も優姫も同じように願っているのだろうか?願っているだろうな、天国での千紗の幸せを


こうしてお墓参りが終わり帰ろうとしたとき何かを感じた。
それはレキも同じらしい
そして叢から1人が出てきた




「お久しぶりですね、好きな人1人も守れない無能な落ちこぼれさん。朗報ですよ」


こいつは、忘れもしない…
千紗の家族を殺し、千紗を殺した張本人。そして俺の復讐の相手

「司馬ぁぁぁ!!」


司馬由(しばよし)
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