緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第11話 蒼の覚醒と『紫の女神』
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一真SIDE


ダン!

俺が撃った弾は再び空を切る


「お前、真面目に闘えよ!」
「ふふ、すいませんね。必死な貴方が実に滑稽で」

相変わらずの笑顔には恐怖すら感じてしまう
実力もかなり高く未だに一発も当たっていない

「そろそろコルトも弾切れか…」
「おやおや、それでは4年前とかわりありませんね」

一瞬で目の前に移動した

「格闘も変わらないみたいですし」

蹴りが来る、そう思い腕をクロスさせ防ごうとするがあえなく吹き飛ばされる

「つまらないですよ、何故あなたなのかプロフェシオンに問いたいですよ」
「意味が分からねぇんだよ。プロフェシオン?」
「だからイ・ウーに来てくださいと言ってるじゃないですか」

イ・ウー?今はそんなことどうでもいい。ヤツを、司馬をぶっ殺す

50%解除

ダンダン!

「ふふふ、跳弾狙いは良いですがこの川では岩にしか跳弾しないでしょう?」
「ああ、そうだな」

そうだ、だが跳弾が狙いじゃない。一発目で岩の割れ目を撃ち砕き、もう一発で砕いた岩を石の雨として敵にぶつける

「なるほどそう来ましたか。ですが所詮目眩まし程度に過ぎませんよ」
「悪いな、過小評価はしない主義なんだよ」
「なるほど、二重の罠ですか…」

司馬の体にはワイヤーが巻き付き、後ろの大木にもう一本のワイヤーが引っ掛かりミシミシと音をたてていた

「二重の罠?悪いが本来の狙いがこれだ、性格がひねくれてるからそう勘違いするんじゃないのか?」
「ですね、でもいつまでそちらを見ているんですか?」

ズドォォォォン!!


大木が倒れるのと同時に脇腹に重い衝撃が伝わる

何だ?蹴られた?司馬か?いつの間に?
頭の中が疑問符で埋め尽くされるがすぐに振り払い敵にコルトの照準を合わせる

「何ですか?まるで人が瞬間移動した様にでも見えましたか?」
「司馬ァ……」
「はぁ、いい加減隠してるモノ使って下さいよ。コルトとリボルバーには飽きました」
「良いだろう、本気でやってやる」

俺は銃をホルスターに戻した

80%解除
ステルス強化

目の前が青いフィルターを被ったように青くなる、


「行くぜ『水球』!!」


川の中からサッカーボール大の水の塊が司馬を襲い、直撃し吹き飛ばす

バシン!!

「やれやれ、せっかくの服がびしょびしょですよ」
「チッ、ふざけんなよ、岩なら余裕で砕けるぞ」
「楽しくなってきましたよ」


アイツには何もさせない

「『水槍』」

川の上にいた司馬の足元から2メートルほどの水の槍が突き出てくるが上に飛びかわす
何で3メートルも跳べるんだよ

「空中で身動き取れないだろ?『水球』」

バシャン

水球は司馬に届かずはじけ俺に降りかかった、軽い痛みが走る。異物でも混じっていたのだろう


「まるで水花火ですね」
「チッ、『水天球』」

半球30メートルほどの半球が司馬と俺を包んだ

「ほぅ、これでほぼ全方向から狙われるというわけですか」
「貫け『水鋭球』」

鋭い棒手裏剣の様にいくつもの水が司馬めがけ飛ぶ

バシャン

しかし再び水に還る

「ああ、気持ちいいシャワーですね」
「てめぇ何の手品だ」
「手品と思ってる内は分かりませんよ」
「いいだろう、切り裂いてやる『水鋭斬』」

今度は半球の中に一つの剣が生まれ、目にも映らぬスピードで切り裂いた


はずだった。
そこに司馬がいないのだ、消えた。さっきと同じ

「ふぅ、中々に楽しめました」
「まだ終わっ……」

身体中が麻痺した様に動かなくなる

「麻痺針ですよ即効性なのに結構かかりましたよ」
「い…つ?」
「さっきの水の塊がはじけた時に刺しました」
「くっ……うぐっ」


同時に頭にも頭痛が走り気が遠くなってくる


「優……姫…」


そして意識を失った


「何故、立てるんです!?」

最後にそう聞こえた
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