緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第17話 魔剣と鉄球ロボ
1ページ/4ページ

亜瑠SIDE


「はぁ、はぁ…アリア!!待ってよ!!」
「亜瑠……」

やっと止まってくれたアリアは、少し下の階段から上がってきて僕の胸に顔を埋めて声を上げて泣きながらキンジを罵倒した


「亜瑠!!バカキンジが!バカキンジが!」
「うん、今は泣いていいんじゃない」
「………このままこのあたしが泣いている演技をするから協力して」

アリアが小声で言う………え?…どゆこと?

「……と、とにかくフリをすればいいんだね」
「ええ、」


なんだ…ラブコメ臭プンプンだったのに。
と、心の中で呟く

「アリア、こんなんじゃボディーガードなんて出来ないよ」
「……」
「僕、今回は降りるよ。アリアは?」
「…あたしも降りる」
「じゃ、今日は外でない?」
「分かったわ」
「よいしょ」
「へ!?ちょっ…亜瑠!?」

頷いたアリアをお姫様抱っこをして階段を降りる。案の定アリアは暴れたけど、演技だということで納得させて学園島を出た



学園島を出て電車で20分位の場所にあるファミレスに来ていた


「亜瑠…あ、あんた。やるときは言いなさいよ」

顔を赤くしながら言ってくる。

「言っていたら演技の意味無いでしょ?」
「それも…そうね」
「で、説明してくれるよね?」
「その為にこんな遠く来たんでしょ?」


学園島やその周辺では、魔剣の仲間達がいる可能性がある。だからこんな遠くまで来た

「亜瑠は魔剣についてどの辺まで調べた?」
「容姿は白髪の白人、武器は自分の身長と同じ位の大剣、Cz100、が主。そして所謂、超偵。あとは個人戦に持ち込む位かな?魔剣については」

僕がそう言うとアリアは目を見開いて驚いた

「あんた…何処でそんなに情報を……」
「それは企業秘密だね」
「チームなんだから教えなさいよ」
「ダメ、あの子はあんまり人と喋るの得意じゃないから」

しかもアリアの性格じゃあクレシアさんは……うん、想像しないでおこう。

「ちなみにアリアは魔剣についてどんな情報を掴んだの?」
「う……あたしは…教えないわよ」
「何で?」
「何でも!!」

うん、情報は無いみたいだね。いや、被っただけかな?よし、そういう事にしておこう

「じゃあさ、相棒の情報は?」
「水の超偵。位ね」
「それさ、多分一真だよ」
「一真って……菅原?」
「うん…」
「厄介ね…」

静かになった空気の中で僕の携帯の音がなる。相手は星川春海。僕のアミカ

「もしもし、どうしたの?」
『先輩、今どこですか?』
「学園島の外だね、私用で」
『神崎先輩の居場所分かりますか?』

ん?アリア?何でだろう?

「何のようなの?」
『本人にしか言えません』
「分かった、ちょっと待って」

携帯をアリアへ差し出す

「僕のアミカがアリアに話があるんだって」
「あたしに?」
「うん、とりあえず出て」
「分かったわ」

不思議そうな顔をしながら携帯を受けとる。
僕も気になるな〜

「ええ、…そうよ、……分かったわ、今すぐココに来てちょうだい。」

ココに来るの!?
ちょっ!なんの話だったの!?

「アリア、いったいなんの話だったの?」
「春海が来てから説明するわ」

うわ。もう名前で読んでるんだ。
そんな事を考えながらお昼ご飯を食べ終えると、ちょうど星川さんが来た

「どうも、神崎先輩、亜瑠先輩」
「ええ、さて。説明するわよ」

相変わらず急だなぁ

「星川さんなんか飲む?」
「お構い無く。」
「話するわよ。簡潔に言うわ。春海には魔剣事件を手伝ってもらう」
「いや、簡潔すぎだよ。なんでそんな話になったの?」

僕がアリアに聞くと、アリアが答える代わりに星川さんが答えた

「魔剣は菅原さんと一緒に行動している。理由はそれで充分じゃないですか?」
「そ、そうだね…」

星川さんは一真を憎んでいる。それも多分仕方ない事。


「でも星川さんって何処で使うの?」
「だから魔剣を捕まえたときに罪を吐かせるのよ」

そういや星川さんって尋問科の星とかって言われてなかったっけ?
いや、今はC研か

「とにかく、私は魔剣を知っています。そして同じ行動をしている菅原に私の親友の居場所を吐かせるのが目的ですから」
「そうだね…」

何があったのかは分からないし知らないけど、苦しそうだな…


「だから私は遠山先輩とアリア先輩とで、魔剣を捕らえます」
「そうだ!アリア、確認なんだけどさっきのって演技だよね?」
「ううん、マジギレに決まってるじゃない。まぁちょうど良かったけど」

確かに。泣いてたし。
っていうか、キンジも協力したんなら最後まで仲良く協力しなよ。
でもキンジとアリアって水と油みたいなものだね。勿論アリアが油、すぐ引火するし…

「ならどうするの?」
「恐らく魔剣はアドシアードの開催中に仕掛けてくると思いますが?」
「春海の言う通りね、配置としては白雪との接触が確認され次第あたしが当たるわ」
「となると僕は逃げ道を潰そうか?」
「そうね…春海は捕獲してからよ」
「分かってます。」


アドシアードまでほんの数日。
前日の花火大会にレキさんでも誘おうかな?
いや、任務中はできるだけ私事を減らそう。武藤君に写真だけ撮っておいてもらおうかな?

「そういえばアリアって何処で暮らすの?」
「レキの部屋よ、まぁ春海の部屋でも構わないけど他に居るんでしょ?」
「はい」
「じゃ、最後に…魔剣て菅原。絶対に逮捕するわよ!!」
「勿論!!その為に大金はたいて秘密兵器買ったんだから」

ツテを使い、半額以下で買わしてもらったのだ


「はい、では尋問科の補充講習の時間なので…」
「うん、バイバイ星川さん。さっ!アリア、僕らも帰ろうか…」
「そうね」



一真SIDE


腕のメンテナンスを終え、アレクの造ったロボを相手に動作確認をする


「レベルアップ、レベル78」
「はぁはぁ」

まだ78なのに恐ろしく強い
飛んでくる鉄製の玉、サイズは野球ボール大。

「ぬうぁっ!?」

一瞬油断した時に4球飛んでくる

「おいアレク!3球設定じゃねぇのかよ!?」
『MAXのレベル300は20球だが?』
「だからって…うわっ!?」

キィン

体感速度だと200km/sは下らない速度の鉄球が左腕に直撃する

「いってぇぇ!!」
「ヒダンカクニン、エンシュウヲシュウリョウシマス。キロク、レベル77」

機械の音声が流れたのを確認し、脱力する


『ふむ、神経接続はOKだな』
「鋭敏過ぎだろ!」
『強度は素晴らしいだろう?』
「まぁ、確かにかなり硬いな」
『そいつなら、司馬の青竜刀でも斬れんぞ』
「ああ、あの『加速する刀』か」

かつて戦った敵、趙樊が持っていた刀。今は司馬が持っている

『ん?通信が入った。繋ぐぞ』
『菅原!!ジャンヌが動くつもりらしいけど。ええの?』
「なっ!?良くねぇ!止めろ!」

ジャンヌの奴、なんでそんなことを…

『無理や、アイツお前に褒めてもらうつもりでこっちの言うこと完全無視や!!』
「ちっ…アレク、ここから東京武偵校まで何日かかる?」

修練場の隣のラボでこっちの状況を聞いていたアレクにインカム越しで聞く

『5日、不眠不休でも3日だ』
「アレク、なんか乗り物無いのか?」
『無いな、念のため守衛用の硬度が高いロボットを4機出したが着くのに3日かかるな』
「なら不眠不休で行ってくる」
『明日まで待てば定期便経由して3日で行けるが?』

不眠不休でヒスったキンジと戦うのは危険か…

「分かった、明日まで待つ。シュウトはジャンヌを守ってくれ」
『了解や!』


アドシアード、ジャンヌによる白雪誘拐まであと3日
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ