緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜番外編

□菅原一真と命千紗(中)
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一真SIDE


あのあと四時間目の今までクラスの男子の嫉妬にまみれた視線を受けながら授業へと意識をやると、ちょうど終わるところだった
全然集中出来なかった

「はぁーなんで俺がこんな目に……」
「ドンマイとしか言いようがないな」
「僕もそこまで女の子に飢えてはいないからどうでもいいです」
「軽く酷いなお前ら……ってうわっ!?」

席を吹き飛ばししゃがみ前方から飛んできていた千紗さんをかわす
千紗さんは豪快な音と共に後ろの机と蓮井を弾き飛ばした

「蓮井!?大丈夫か?」
「うぅ、交わすなんて酷いよ一真君」
「あんなミサイルまがいの物交わさなきゃ怪我するからな!!」
「アタシにあんなことしといて」
「なんもしてねぇ!」
「うわーん…」

千紗さんが泣き出すと「うわ、女子泣かすとか同じ男として無いわ」だとか「あんな一途な子をいじめるとかサイテー」

と何故か俺に対して軽蔑の眼差しを向けてくる非道なクラスメート


「くそっ、千紗さんちょっと来い。弁当もな」
「え?一真君。学校で初めてを……」
「しねぇ!!つか屋上行くぞ」


強引に千紗さんの腕を引いて学校の屋上に向かった



〜屋上〜

「……で、野外でヤるんですか?」
「お前の頭はそれしか無いのか!第一、まだ俺ら付き合っても無いのにんなこと言うな」
「ん?じゃあ付き合っちゃう?」

と軽い表情で聞いてきた
そういう事を軽く決めるのはどうかと思う

「悪いな、今はそういうの考えてない」
「うん、やっぱり一真君はそうだよね。でも間違えないで、私は助けられたから一真君を好きになったんじゃないよ。勿論それもあるけど……一目惚れかな?」

千紗さんは下を向いていた顔をこちらに向けて微笑みながらそういった
その笑顔は……こう、とても、魅力的ではあった

「……」
「あと一真君ってMそうだからちょうどいいかなって」
「台無しだな千紗」
「うふふ今千紗って言ってくれた、じゃあ私友達とご飯食べてくるよ」
「ああ」

千紗は屋上から出ていき俺はその昼休み中千紗さんの事を考えていた

その日の放課後。
千紗さんは先生に呼ばれており、教室には俺と蓮井と委員長だけが残っていた

「おい菅原!聞いてんのかよ?」
「あ?悪いなんだ?」
「ここ教えてくれよ」
「委員長に教えてもらえ」
「兼岩、コイツ酷くね?」
「だから君は何故僕の説明で理解出来ないんだ?」
「うわぁぁぁぁ!!やめだやめ!!数学なんて大嫌いだ数が苦だ!!」

と地味に上手いことを言った蓮井を無視して課題を終わらせる

「話変わるけどさ、お前あの子とどういう関係なんだ?」
「それは僕も気になるね」
「気にするな」
「ってそこは教えるノリだろ」
「ただ道端でロリコン好きのキモい奴ら三人からアイツを助けたら、」
「「助けたら?」」

ため息を出して話を続ける

「1週間すると武偵になってた」
「「……」」
「どうすりゃいいの俺?」
「そ、そういやお前の友達に許嫁が居るって言っていた奴に方法でも聞いたら?」
「アイツはロリコンだから却下」
「というよりは、嫌なら嫌と言えば良いんじゃないかい?」

確かに良い方法だが、余りしたくない。出来れば向こうが俺に呆れるとか…

「うーん、結局君はどうしたいんだい?」
「……分からない」
「つかお前の初恋はあったのか?」
「……あった」

初恋は近衛である秋月マリアだ、強い姿に憧れたが。今はイギリスのロンドンで武偵をしているらしい。
ロンドン、あの女の子元気かな?約束はさすがにどうかと思うけど、もう一度だけ会いたいかな?

「なら忘れられないみたいな、女々しい理由でもいいんじゃね?」
「いや…千紗さんはそれじゃ退かない気がする」

三人の中に沈黙が続き、ついには決まらずに下校時間となった

「一真くーん!!一緒に帰ろー♪」

扉を勢いよく開けて来た千紗さん

「菅原、さっきの女々しいってヤツやってみろよ」
「OK」

小声で蓮井とやり取りをした


「千紗さん。大事な話があるんだ!!聞いてくれないか?」
「え?……はい」

状況を察したのか敬語になる千紗さん

「俺、初恋の人が忘れられないんだ。だから君とは付き合えない」

言った。女々しくてこれなら俺を嫌ってくれるだろう

「なんだそんなこと…大丈夫、一真君がアタシ無しじゃ生きていけない位骨抜きにしてあげるから」


「なんというか」
と委員長
「手遅れか」
と俺
「菅原だけモテモテじゃんかちくしょー。しかもめちゃくちゃ可愛いしぃ!腹立つ!」
と蓮井。……蓮井!?

「おい蓮井、なにいってるんだよ」
「うるさい!今日は飲むぞ兼岩!」
「え?僕たちまだ子供だろ!」
「バカ、ドリンクバーだ!!」
「良いけどさ。ってもう行くの!?」

と、連れ去られていく委員長。あれ?二人きり?

「一真君。私一真君が誰を好きでも関係ないよ」
「なんで?」
「言ったよね。私は一真を虜にする。」
「だから手始めに付き合えと?」
「違うよ」

西日が千紗さんの横顔を照らして余計に魅力的に感じる
そして

唇を重ねてきた

そのキスは甘く、ほんのり柑橘系の香りがした


「一真君に拒否権はあげないよ」
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