緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜番外編

□志摩亜瑠とトラウマ
1ページ/4ページ


僕がスタンガンで失った気を取り戻した時、僕はベッドに寝ていた。

「うん…あれ?なんで僕ベッドに?そうだ!確かスタンガンで気絶して…」

ガチャガチャ

ん?あれ?なんで右手が手錠でベッドに繋がれてるの?
取り敢えず外さなきゃ…

ガチャガチャ

あれ?左も?つか両手?
ヤバい!?コレって捕まってんじゃん!?


「…起きた?」
「あ、雨宮さん…」
「唯ちゃんこの人?」
「本当に東京武偵高なの?」
「まだ子供じゃないの?」

失礼な!!高校生だ!!
つかこの状況ってマズイよね、いくら女性でも四人も居られると…。
僕は今からされるであろう拷問を考えてしまい、目をつぶった。

すると体の上に何かがのし掛かった

「ねぇ君、目を開けてよ」

だめだ、怖くて目なんて開けれない
でも、目を開けなきゃ。僕だって武偵なんだ。

そして目を開けると目の前に雨宮唯と一緒にいた女の子の中で一番童顔な子が僕の上にのし掛かっていた。
……体操服で


これなんてエロゲ?


「大丈夫だよ。私が全部リードしてあげますよ。姉さん達には手出しさせませんし」

そういって彼女は僕の唇に自分の唇を押し付けた。

「んむ……ぷはっ、大丈夫大丈夫。リラックスして」
「…目的を忘れないで由梨」
「分かってますよ。ねぇキミ。名前とランク教えてくれますか?」
「ふぇ?ありゅだよ」

あれ?なんか体が熱い。ファーストキスも奪われちゃうし…
なんか、レキさんに似て可愛いし……

「ふふ、呂律まわってないですよ?ほらランクも教えてください」

そう言いながら由梨と呼ばれた彼女は可愛く微笑みながら僕の大事な下半身の一部分に向かって手を伸ばし

「Fだよ」

おもいっきり降り下ろされた。

「おごぅ!?!?」

「なんだよFって。聞いたことねぇよ!!完全にぬか喜びじゃねぇか!!オレなんて、はは、初めてだったのに!!頭きた。なぁ唯!コイツ殺っていいか!いいよな!!」

豹変したよこの子!!
つか、なにこの声にならない痛み?潰れた?
なに?ファーストキスのあとはファーストアタック?こんな痛み感じたことないよ!!

「由梨、口調戻ってるわよ」
「ねぇちゃんには関係ねぇよ!!ちくしょうなんだよ。せっかくウチの組に潜入しようなんざ度胸のある行動をする高ランク武偵をオレの旦那にしてウチの組に引き入れる計画がよ!!
結局釣れたの度胸のないE以下のヘタレじゃねぇか!!」

こ、こいつ豹変しすぎ…つか、まだ苦しい。

「由梨落ち着きなさい。唯さんこの武偵どうしますか?まだこの武偵のパイプで良くてA、もしかしたらSランクの武偵も居るかもしれませんよ?」
「…翔次郎を呼んでみる」
「分かりました。由梨着替えてきなさい、若旦那がお見栄よ」
「これ着せたのねぇちゃんじゃねぇかよ。ねぇちゃんの男が特殊なんだよ」
「あらそう?あの人は良い人よ」

そこで始まったガールズトークは鉢柿翔次郎が来るまで続き、僕は悶え続けた




「入るぞお前ら」
「…どうぞ」

部屋の扉を開けて入って来たのは若い青年で、恐らく二十歳過ぎぐらいだろう

「ソイツか?Fランクっつーのは」
「はい、そうです」
「おいお前、名前と所属科を話せ」
「志摩亜瑠。強襲科Fランク」
「Fランク?」

すると彼は怪訝な表情をした。

「辻褄が合わないな。お前本当に強襲科でFランクか?本当の事を言え」
「翔次郎様、失礼ですが彼がここで嘘をつく理由が見当たりません」
「武偵にはSからEランクまである。あまり知られてはいないがRランクという人外的な力を持つ者もいるらしいがここでは省く。
わかるか白川?」
「ええ、分かります」

さっき由梨にねぇちゃんと呼ばれた人物が相づちをうつ。
鉢柿は何に気付いたんだろうか?

「ならなぜコイツがEよりも下で存在しないFランクなのか?」
「それは実力がEにすら届かないからでは?」
「ああ、恐らくそうだ。しかし強襲科というのは諜報科と同等なほど危険だ。武偵高と言えど教育機関なはずなのにわざわざEにも満たない生徒を危険な強襲科に入れるか?俺はそうとは思えない」

ふむ、一理ある。
と格好つけてみるが、僕はなぜFランクなのだろうか?

「おい、志摩亜瑠。お前を助けてやろうか?」
「え?マジで?」
「ああ、お前の知り合いに諜報科、強襲科のAランク以上。もしくは格闘センスがA以上のヤツが五人以上いないか?」
「いる、けど?」
「よし、決定だ。コイツに計画に加担させる。」
「おい待ってくれよ鉢柿さん!!こんなヘタレになんでクーデターに参加させんだよ!?」
「誰がヘタレだ!!このビッチ!!」

いきなり這いよって、レキさんに捧げるはずのファーストキスを奪った挙げ句に僕の息子に鉄槌を与え、更には罵倒の嵐。
うん、もうこの人の渾名ビッチでいいや。

「び、ビッチだとこの底辺武偵!」
「うるさいよ!ビッチ」
「ビッチ言うな、チビ」
「そっちだって身長大差ないじゃん。むしろこっちのが少し大きいかんな、このビッチ」
「てめ!!次ビッチつったらてめえの2つとも潰してやる!!」
「やってみなよビッチ!!」
「やってやるよヘタレ!!」

「いい加減にしろバカ共が!!」

直後、僕とビッチの頭に強烈な拳骨が降りかかった。

「いだっ!?」
「いってぇ!!」

「話の邪魔をするな由梨、決定事項だ。志摩、お前はクーデターに参加してもらう」
「え?」

クーデター?
クーデターってアレだよね、なんか、下剋上みたいなヤツ…

「だから、なんでこんな」
「由梨、もう一発いっとくか?」
「わ、わかったよ。認めるよ」

あのビッチを黙らせれるなんて、確かに鉢柿翔次郎さんの拳骨クソ痛かったけどさ。
そういや剛拳の息子って鉄拳の翔って呼ばれてたような…

「志摩、まずは俺達がクーデターを起こす理由を教える。さっきの仲間にAランク云々の話が苦し紛れに言ったのなら正確に人数を教えろ。嘘をつくなら消さなきゃならないからな。」

消す!?
ちょっまって。
キンジでしょ、不知火君、星伽さん、理子ちゃん、レキさん、ランクは知らないけど師匠、かな

「Sが2人、Aが2人、超能力者Sランクが1人、スナイプSランクが1人かな?」
「上等、いやそれ以上だ。Sが4人、Aが2人。ならこちらのクーデターの理由を言おうか。
まずは、ウチが過激派っつーのは知ってるな?」
「うん、有名だよね」
「ウチが過激派になったのは2年前の今日なんだ」
「つい、最近だね」
「2年前の今日、俺の姉さんが死んだ。いや、正確には他の組に殺された。」
「娘がいたんだ…」
「そこからすぐさま親父は単独でその組を潰した。だが潰した組を傘下に持っていた組が母さんと幹部二人を殺した。そして報復にその組に関わりのある組を全て潰した。」
「その行動のせいで過激派になった…ってことだね?でもそれとクーデターは結びつかないよ?」

「まぁ聞け。
その頃から親父は姉さんと母さんの面影を追って四人の女を組に入れた。そして立ちはだかる敵を全て潰した。
あの日から親父は変わった、それを諌める幹部も母さんと一緒に死んだ。だから俺が止める。
俺が親父をぶっ倒して倒す!!」


そして僕が言葉を出した瞬間、壁が砕ける音とともに空いた穴に2メートル近い人物が立っていた。


「貴様が儂を裏切るのか、翔次郎」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ