緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第13話 銀氷の魔女と白雷
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一真SIDE


「兄……さん」
「よっ、元気だったか?つってもそこまで経ってないけどな」
「兄さん、いつからこんな殺人者集団に……」

「はぁ、お前の悪い癖だ。すぐに結論を出すところとか」
「兄さんは国を守る地位に居るんじゃないの?だから防人も名乗っているはずなのに」
「はぁ、堅いなぁ一真。とりあえずお前はもうイ・ウー側にまわったんだ、非難する資格は無いぞ」
「ぐっ……」

確かにイ・ウー側の俺がイ・ウーを非難したりするのはお門違いかもしれない

「さてこの紙はお前の初任務の詳細だ、あとジャンヌにも会って任務の確認とか作戦とか立ててみろ」
「ああ、兄さん1つ聞いて良いか?」
「おういいぞ」
「この事って家の誰か…夏希さんとか知ってるのか?」
「知らない。言うなよ」

なんだって…

「ふざけんなって!!夏希さんは兄さんを信じてるのに!!」

夏希さんを裏切るようなマネをよく出来るな。兄さんが子供を作れないって知ってても愛してくれる夏希さんを……

すると兄さんは今までに感じた事のないほどの殺気を込めて言葉を発した

「うるさい、言えば弟のお前だろうと殺す。俺には俺の目的が有ってここにいるんだ、その邪魔をするな」
「うっ……」

「師匠!!やめぇや」
「ああ、悪い。一真さっさとジャンヌに会ってこい」
「……分かった」

初めて見た兄さんの一面に恐怖を感じつつジャンヌがいると言われた資料室に向かっていった



「やっぱり兄弟揃ってSね」
「ま、待てカナ。何でそうなる」
「意地悪ね、似てるんでしょ。ジャンヌとあの子の記憶の中の人の誰かが」
「ギクッ……」
「うわ、師匠口で言うかそれ?」
「それにしても凄いコンビになりそうね」
「ああ、それに関しては同意だ」
「何でなんや?」
「ジャンヌは頭切れるだろ、おまけに作戦立てるの上手いし」
「そしてあの子は冷静になればイ・ウーで一、二を争う位の軍司だわ」
「それって凄いんちゃうん?」
「ああ、だけど冷静じゃなくなるだろうな」
「でも酷すぎない?既に居なくなった子と似てるジャンヌに当てるなんて」
「それはプロフェシオンに言ってくれ」
「……あかん。師匠とカナ、仲悪いんかええんか分からんくなってきた」


そんな会話も知らない一真は、ジャンヌと言う人物に警戒しながら任務詳細の紙を片手に扉を開けた。

そこには見覚えのある顔と、綺麗な銀髪を持つ少女が立っていた


「やっと来たか、私はジャンヌ・ダルクだ。よろしく……どうした?」
「お前……マリア!!生きてたのかよ!!」

駆け寄って力強く抱擁すると共に涙も軽く流れてくる

「良かった…死んでなかった…生きてたんだ、また…会えた。マリア!!」
「は?…ちょっと待て!?」
「お前がいなくなるから俺は…」
「ちょっ、ちょっと待てと言っているだろう!人違いだ!私はジャンヌ・ダルクだ!!」

ほんの少し頬を紅くしたマリア?がそう訴えてくる
少しだけ放して顔をよく見てみると違いが見えた。
マリアの目の色はブラウンだが、このジャンヌ・ダルクはサファイアブルーの綺麗な目をしていた
人違い…か…


「す、すまん。死んだ知り合いに似ていて……」
「泣いているのか?」
「いや、気にするな作戦を立てよう」
「……それにしても未婚の乙女にいきなり抱きつくか?…」

ジャンヌ・ダルクが何か言ったようだが聞き取れなかった一真は、涙を拭き取り任務の紙を拾い上げ椅子に座った

「取り乱して悪かった、俺は菅原一真だ。よろしくジャンヌ・ダルク」
「ジャンヌで構わない」

もう少しジャンヌを見ていると髪の色も少し違う、なんと言うかマリアより綺麗な髪で真っ直ぐな目だと言うことが分かった
マリアよりって、俺はこの女に一目惚れしたのか?いや似ているだけだ、ただ似ているだけ……

「それでいいか?…おい!聞いているのか!」
「ん?いや悪い、それでいいぞ」
「そうか、それから実際に向かうのは1週間後だ。事前に出来るだけ準備をしておけ」
「了解だ」
「後は……余り私情を挟むなよ」

多分、って言うか確実にさっきの事だよな。

「ああ、改めてよろしくな。マ…、ジャンヌ」


これがカナの言っていた大切な人か……いや、まだ決めつけるのは早すぎる
だが、性格を改変させれれば第一候補にはなるかもしれない。


そう考えながら先ほど『教授』のいた部屋に行った、自分の疑問を確かめるために
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