緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第8話 そして太宰府へ
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一真SIDE


「………(目を覚ましたのはいいけど、何故中空知が泣いている。俺、そこまで重症じゃ無かったよな)」
「うっ、うっ……」


目を覚まして周りを確認すると何故か中空知がいて泣いていた、俺の手に握られたメモを見ると『何か勘違いしているよね中空知さん、まぁリア充な一真には幸せだと思って真実を伝えてないよ(笑)』と書いていた、アルめ……

「おはよう、中空知…」

ニコニコして平静を保つ

「菅原くん……はわっ///」
「ああ、重症だな」
「だだだ大丈夫なの……」
「頼むから落ち着いてくれ」

もう何て言うか……残念過ぎだ。

「……でお見舞いサンキューな」
「う、うん。志摩君がヤバいかもって言っててびっくりして……でも元気だったらもういいね、じゃあ、さようなら…はうっ!?」


帰る途中で躓く中空知、何故躓くものが何もない病室で躓くんだ…
と思いつつベッドから起き上がって助けにいこうとするが、凄い剣幕で「寝てなきゃダメです!!」と突っ込んできたので言う通りベッドからは降りなかった

「なぁ、絶対前髪寄せろよ、正直前見えてないだろ」
「う、うん。それじゃ本当に帰るよ」
「ああ、じゃあな」
「うん、お、お大事に」

なんとか中空知を退けた俺はどこかで感じた気配が天井にあることを確認した

「誰だ?」
「バレましたか」

と言って風魔ではなく遼太だった、これ不味くないか?このあと「師匠をお救い頂き感謝するでござる」とか言って風魔が来て遼太と口論になるパターンじゃないのか!?

「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「そうですか、あっそうだ。先輩入院ばっかりして病院食に飽きたんじゃないかと思って握り飯を作ってきました」
「女子か!、いや、ありがとう」

ついツッコミを入れてしまったが飽きたのは確かだ。ん?待てよ、これって風魔が来て「師匠をお救い頂き感謝するでござる……と言いたいところでござるが、食べ物を頂けませぬか…最近何も食べておらず……」だのなんだの言って来て
「自分の食べ物くらい自分でどうにかしろ!」って遼太と口論になるパターンじゃないのか!?

「考えすぎか、」
「どうかしましたか?」
「いや、屋根から風魔がきて」
ガタン

「「師匠をお救い頂き感謝するでござる」とか言いそう…ってマジかよッ!!」

本当に来やがった

「すまぬが食べ物を頂きたいのですが宜しいか?」

とベッドの隣にある机の上に置かれた遼太の握り飯を凝視している

「お前、自分の食べ物くらい自分でどうにかしろ!」
「服部!?」

最悪のパターン発生、何故こうも悲劇ばかり。と泣きたくなる気持ちを抑え、喧嘩を制止する


「分かったから食え風魔、遼太もいちいち目くじらをたてないでくれ」
「すまないでござる」

申し訳なさそうに3つのうち1つを食べた

「むっ、これ程のおむすびは生まれて初めてでござる」
「そうか、よかったな」

満足させた風魔を帰らせ、遼太も帰らせた
これでやっと退院の準備ができ

「カズ大丈夫だった〜」

なかった
アルがニコニコしながら入ってきた、中空知の主犯がニコニコで入って来るなよ

「お前よく来れたな」

ダンダン!

「ちょっ!?危なっ!」
「安心しろ、ゴム弾だから悪くても骨折だけだ」
「十分大怪我だから!」
「仕方ない、鳩尾のみにしてやるよ」
「痛いから!!」
「悪いのはお前だ、諦めろ」
「ヤダヤダヤダ、マジ痛いから」
「仕方ないな、俺は来週太宰府市の実家に帰るんだが、付いてきてくれ」

アルには兄さんの事を説明しないといけないからな、何故飛行機から寮に戻っていたとかの説明を

「え?そんなの嫌――
ダン!
――な訳ないでしょ、一回九州に行ってみたかったんだよ」
「それは好都合だな」
「横暴だよ…」

さすがにかわいそうに思えてきたので軽く条件を提示した

「仕方ないな、なら誰かもう1人誘っやる。誰がいい?」
「レキさんで!!!!」

復活早すぎだからな。まぁキンジも誘うし、そうなるとアリアも来るだろうからいいか

「誘っとくから木曜の放課後強襲科棟の前に来いよ」
「りょうかーい、じゃあね」


やっとアルが帰ったことで退院準備が整い退院出来た。



〜木曜日〜
その場にはアルとキンジとレキとアリア―――と星伽がいた。……星伽?

「あー、何で星伽?」
「私ね、本当はキンちゃんがアリアなんかと一緒に行くのは嫌だけど私には用事があるし……でも防人…じゃない何でもない」

とアリアを睨みながら言い、それにアリアが反応し喧嘩になりかけた

「あーもうやめろ!!」
「頼むから止めてくれお前ら」

俺とキンジの静止によりなんとか平静を取り戻した

「単刀直入に言うぞ。キンジ、アル、アリア、レキ、太宰府の実家に来てくれないか?アルに拒否権はないけど」

「ひどい、横暴だ、正直単位が――」
ダン!
「有り余ってるから行こうか太宰府に」

「よしアルは決定、他は?アル以外は拒否権ありだぞ」
「俺は行くぜ、黒の人には感謝しなきゃいけないからな」
「キンジが行くなら行くわ」

とキンジに乗っかるアリア、を睨む星伽を宥めるアル。嫉妬ってのは本当に怖いな
などと考えているとレキが当然過ぎる事を聞いた

「なぜ私なんですか?」
「ああ、まぁ当然の疑問だよな。それはアルが」

と言いかけた時にアルが「それは言わないでね」と怖い笑顔で言ってきた。

「いや、俺の兄さんはさ狙撃が得意だし何か伸びるきっかけになればと思ってな。迷惑か?」
「いえ、分かりました」
「じゃあ来週のゴールデンウィークに行くから準備しておいてくれよ」



そうして解散した後に星伽に呼ばれたので向かうとよく分からない占いで「人生で最も大きな選択を迫られる」と言われた。
全くと言っていいほど心当たりの無かった俺は軽く聞き流した。

だがこの選択によって起こる事実は衝撃的なものだった
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