緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第9話 平和と『防人時斗』
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一真SIDE

「何ですか一真君?」
「あー、トキ兄帰ってる?」
「いえ、まさか一真君を、弟をいじめたりとかしましたか?」

恐い、笑顔が恐いです夏希さん。なんかドス黒いオーラも出てますよ。
まぁ仕方ない犠牲だ

「近いかな?」
「分かりました30分で帰ってきてもらいます。それに蘭豹からも連絡が来てますから」
「は、はい…」

東京からココまで30分か、兄さん…死んだかな

「一真君、時斗さんが帰って来るまで優姫と優那に挨拶してきて下さい」

「いや、優姫は……」
「挨拶してきて下さい」
「でも優姫も俺に会いたがらないと……」
「挨拶してきて下さい」
「……分かりました」

ダメだ、恐すぎる。オーラだけならRランク確定だ…


一真SIDEOUT
時斗SIDE


「防人さん、この書類どうですか?」

部下の1人が尋ねる

「ん、大丈夫だ。後はヒゲ爺さんに渡していてくれ」
「防人さん、仮にも防衛省長官をヒゲ爺はちょっと……」
「大丈夫だ、あの爺さんボケ来てるから」
「はぁ」

prrrrr!

なぜこのタイミングで電話……まさか一真が言った?。ヤバい汗が止まらない

prrrrr!
prrrrr!prrrrr!

「防人さん出ないんですか電話?」

部下の1人が気になったのか聞いてきた。出たら死ぬわ、威圧感で死ぬわ
ヤバい、ヤバすぎて関西弁になっとる


prrrrr!………

切れた〜〜よかった

「すいません防人さん」
「ん?」
「島津夏希って人から代わって下さいと来ましたが。私の携帯に」

何故部下の携帯番号を知っているんだよ!?

「頼む、居留守ってことで」
「居留守だそうです」
「うぉい!!居留守って言っちゃダメだろ!!」

バカなのか!?、ウチの部下だけどバカなのか!?

「え?はい、スピーカーですね」

すると部下は携帯をこちらに向けた

『時斗さん、居留守は咎めません。なので30分で帰って来て下さい』
「あの、夏希さん。東京から太宰府まで30分は無理です」
『30分で帰って来て下さい』
「いや……」
『分かりました、時斗さんは私が嫌いになられたということですね、こうなると島津の恥。30分で死ねる薬を飲むしかありませんね』
「ちょっと待て、意味が分からん」
『ゴクン』

飲んだのか、マジで薬飲んだのか!?

『時斗様、今までありがとうございました。ブツッ、ツー、ツー』

「みんな、今度飯奢るから俺の分の仕事頼んだ」


時斗SIDEOUT
一真SIDE



気が重い、優姫か……


コンコン
「優那、優姫。帰ったぞ」
「お帰りなさい兄様」
「帰ったぞって何様のつもり…」
「優姫、兄様に…」
「いや、いいよ優那。優姫、もう少し慣れないか?」
「自分のしたことをよく考えてください」
「優姫!」

優姫の発言に怒る優那

「なんで姉さんは平気なの?自分の家族がこの男に殺されたんだよ!?」
「ううん、兄様は守った、だけど守りきれなくて皆死んじゃったんだよ」
「もういいよ疫病神」


と言って優姫は出ていき、止めようとした優那はさっきまでの笑顔とは対照的に暗い顔をしていた

「優那……ごめん」
「止めてよ兄様、兄様は悪くないよ」

そう微笑んだ優那の笑顔は脆く少しの衝撃で壊れそうで、俺はその場から逃げ去るように出ていった。
あの日から笑うことの無くなった妹と、泣くことの無くなった義妹。
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