緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第10話 アホと仇敵
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キンジSIDE


なんだこいつは

中国の伝統的な服を纏って、手には細長い棒のようなものを持っていた

底の見えない笑顔が悪寒の走る恐怖が湧かせてくる

「そんなに吠えないでください、今日は朗報を持ってきたんですよ」
「確かに朗報だ、今日やっと仇を討てるからな」「なんなんだお前?」
「私ですか?ご想像にお任せします」

得体の知れない恐怖、おぞましい程の恐怖。恐怖恐怖恐怖……
打ち勝てない、対峙しただけでひしひしと伝わる強さ


「まぁ良いでしょう、この娘は回収しましたし」

いつの間にか司馬の腕には優姫ちゃんが抱かれ気を失っていた。

「優姫!!司馬、テメェ!!」
「ふふふ、自己紹介がまだでしたね。司馬由(しばよし)と申します。ランパンそしてイ・ウーに所属しております」

イ・ウー、またイ・ウーか、理子の所属組織でかなえさんをスケープゴートにした連中
アリアも手にしているガバメントを握り締め叫ぶ

「そんなことどうでもいいわ!!ママの為に大人しく捕まりなさい!!」
「おやおや、貴女がプロフェシオンがご執心のアリアさんですか…まぁ今は関係ないので他の皆様はご退場願います」

パチン!

司馬が指を鳴らすと1人の人が優那ちゃんを拐い海の方へと駆け出した

「優那!司馬、殺るのは俺じゃないのか?何故他を狙う」
「邪魔者の排除ですよ、その意図くらい分かってくださいよ」
「チッ、神崎、キンジ、アル、レキ。皆で優那を助けてやってくれ」
「はぁ?何言ってんだ?そいつに勝てる訳ないだろ」
「やる、勝つ」

恐らくこの司馬って奴はヒステリアモードの俺でも勝てないだろう
だが一真なら勝てる、それは願いじゃなく確信だった

「優那ちゃんを助けにいこう皆」

そう信じているのは亜瑠も同じだったようだ


「頼むぞ皆」
「分かったわ、ここは菅原に任せる」
「……そうですね」

そして一真を除いた俺達で謎の男を追った



〜海岸〜

「ここらだな」
「ハァハァハァ、優那ちゃんを返せ」
「返してやるよ」

「うぅっ……」

何がしたいんだコイツは、亜瑠が返せと叫ぶと優那ちゃんを下ろした。分からない

「アンタ何がしたいのよ」
「純粋な戦いだ。おっと、戦いが終わるまでその女の子には近付くなよ。近付くと死ぬからソイツ」
「どうやって殺すんだ」
「さあな?ソコのヘッドホンの嬢ちゃんは気付いてるみたいだが…」
「レキさんが?」

亜瑠がレキの方をみるとコクリと頷く

「ここから約1,8km地点に浮かぶ船から狙撃手が1人こちらを狙っています武器は確認出来ません」
「そいつと通信が繋がってるがどうする?」

すると敵は懐から通信機を取り出し音量を上げた

『どうするちゃうわ!!繋げろや!』
「黙ってろ『シュウト』!繋いじまったから一応喋れお前ら」


男が会話を促し亜瑠が話す

「シュウト君だったかな?僕たちに何か用?」
『何か用ちゃうわ、そんなかで理子の髪斬った奴名乗りでろ、今すぐ撃ち抜いたるわ』
「どんな銃で撃ち抜くっていうのさ」
『そんなもん、俺の相棒のゲパードに決まっとるやろ』
「あのバカ…」

シュウトの発言に頭を抱える男、あの関西弁の奴は誘導に気付いて無いらしい

「シュウト、お前バカか?何で敵に銃の種類バラしてんだ」
『うっさいわ、遠隔でロボ操作しとる臆病モンに言われた』

ブツッ

「アイツ後でシバく」

バキッ!

男の手にあった通信機が突然吹き飛びバラバラになった
恐らくさっきの関西弁の男だろう

「さぁ始めようじゃねぇか。死のゲームを楽しん殺し合いを」
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