緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第11話 蒼の覚醒と『紫の女神』
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司馬SIDE

「いやいや、実に滑稽ですよ。私の虚像と戦う姿は……ふふ、まぁこの言葉も最早あなたの耳には届かないのですが…」


ただただ催眠術にかかった菅原君は何もない場所に向けて技を放つだけ、ああ、実に滑稽、滑稽、滑稽 ふふふ、
楽しいですがそろそろ麻痺針の効果がくるはずですね


「優……姫」

それが最後の言葉ですか…実に美しい兄妹愛ですね、美しすぎて虫酸が走りますよ
と思ったのも束の間、倒れた筈の菅原が立ち上がったのだ

「何故立てるんです!?」

答えない、髪の青がより鮮やかな紫に、ヘッドホンの青は輝きを帯び、目は青一色に輝いていた

「何ですかそれは?」

菅原の口が動く

『我ハ涙ヲ紡グモノナリ、ココデ潰エルカ?ソレモ一興。ダガ足リヌ』

あの麻痺毒は島津でも解けない有力なもの、それを無視したように立ち上がり話をする菅原は菅原ではなかった

「何を言ってるんですか?そんな事じゃ4年前と同じく大事な人の命を失いますよ」

『死トハ物語ノ始マデアリ終ワリデアル、物語ノ中ニハ悲劇ガアリ悲劇ガ涙ヲ呼ビ、其レヲ我ガ紡グ』

「いい加減にしてください!!」

『シカシ少々涙ガ足リヌ、コノ器モマダ潰エヌ、ナラバ更ナル涙ヲ生ム器トシテ生キテ貰ワネバナ』

しびれを切らした私は彼に向けて3本の針を投げた

『《イ・ウー》トヤラニモ入ロウデハナイカ』

そう言った彼は針を掴み砕いた

「プロフェシオンが欲しいのはもう1人の彼ですよ。No.2を討ち取った菅原君ですよ」
『ナラバ試シテミヨ、我ノ実力ヲ』

「はぁっ!!」

針を20程なげる

『水壁』

が、水の壁に阻まれる

『水天球』

半球が私だけを覆う

『水槍』

「ぐぅぁ」

天球のあらゆる場所から出た水の槍が身体中をかすめ、切り傷に水が染みる

『水牢球』

とたんに水が身体中に張り付き息すら儘ならない状況に陥った

『水鋭槍』

先程の槍よりも細い槍が彼?の右手から飛び出る

「ごふっ!?」

槍が右肩を貫き右手に力が入らなくなり、出血を確認した菅原は水の牢を解いた

『我ノ目的ハ貴様ノ軽イ命デハナイ、無駄ニ散ラスナ』
「はぁはぁ、何が目的何ですか」

ダメだ、今の技の連発でも半分も本気になっていなかった菅原を怒らすわけにはいかない

『愚者ヨ、マダ気ヅカヌカ?我ネ名ヲ知ラヌカ』
「なるほど、その髪の色…『紫の女神』ですか?」
『ソノ通リダガ、何ヲ不服ニ思ウ』
「いえ、『紫の女神』ならもう少し実力があるのでは、と思っただけです」
『ヨカロウ、80%ノ力見セテヤル』

『水球』


その水球は目測半球10メートルもある球だった、ソレをかなりのスピードで地面にぶつける


ドオォォォォン!!!!!!!!

「なるほど、これは勝てる気がしませんね」

そこには見たことも無いほどの大穴が空いていた

『我ハコノ者ニ絶望ト悲劇ヲ与エル、ソノ為ニ《イ・ウー》ニ入ロウ』

「それは嬉しいですね、ですがどうすれば良いのですか」
『愚者ヨ、我ヲ愚弄スルカ?』
「いえいえ、すいませんね」


『紫の女神』の眩しいヘッドホンの輝きが消えると共に髪も青に戻り目を元の色に戻した

「司馬ぁ!!、優姫はどこだ!?」
「はぁ、すぐに戻るんですね」

痺れで身体を動かせれていない菅原

「てめぇ、優姫はどこだ!!」
「イ・ウーですよ、彼女を守りたければイ・ウーに来なさい」
「ふざけんなよ司馬!!」
「いい加減にしろよ小僧、お前に拒否権はない」

これ以上私を怒らせないでもらいたい

「は……い…」

ガタガタと震えながらそう答えた菅原、肩にいたペットか何かはさっきの『紫の女神』の時に逃げ出したようだ

だが、これでミッションは完了。プロフェシオンにも恩を売りつけられるというものですよ。
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