緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第13話 銀氷の魔女と白雷
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一真SIDE



なんだったんだよさっきの女は、決意が鈍って来るだろうが
と、さっきの女の事で殺す決意が少し鈍ったのをぼやいていると


ダン!

急に銃声が聞こえた、自分の腹にも衝撃が伝わり撃たれた事が分かった
防弾制服を着ていた事に救われたみたいだ

「お前!武偵か!!」
「そういえば、つい癖になってたな休日でも制服着るの」
「何言ってやがる!!」
「ごめんな」

パシュン

頭を撃たれた部下は倒れる。
あれ?何で震えてんだ俺?その程度で揺らぐような覚悟じゃねえはずなのに


「動くな!お前は誰だ!!」

さっきの銃声を聞き付けて3人の標的が来た。部下と用心棒はいない

「『爆水球』!!」

パン!!!

ビー玉程の水の球が二人の標的の頭を貫通し、軽快な音とともに2人の頭の中で爆ぜた。
血渋きで体が染まりその光景のおかげで覚悟が固まった

「会場は1つ、2週間の間大きな会場で全員が集まって飲み食い泊まりをする場」
『人を数人殺すぐらいで揺らぐような覚悟で殺れるのか?』
「ハリアルドか、何を言われようと代わらんぞ。それよりは入った瞬間に今の技をするからステルスをよこせ」
『ちっ、しゃあねぇな』

ハリアルドの声が頭の中でそう呟くと体に力が湧いてくる


「ば、化け物だ!!、うぁぁあぁ!!!!!!」

腰が抜けたように這って逃げ出す標的を右手で捕まえようとする


「ぐぁぁあ!」

不意に伸ばした右腕から体に電流が走る、これは比喩等ではなく右腕を見ると軽い火傷も起こしている

「ハァハァ。なんだ一体…右腕を動かそうとしたら」

右腕、………まさかさっきの女、一瞬で消えて横に移動したことを考えるとかなり強力な電気のステルスを持っていたのか。なら今のは


「あの女ぁぁ!!出てきやがれ!!何をしたんだ、邪魔しやがって」

そう叫ぶと左手にナイフ持ち、苛立ちをぶつけるように力任せに標的に刺す。
すると心臓に刺さったようで唸りながら倒れた

『落ち着かねぇと死ぬぜ?』
「…黙れ!!あのクソ女を出せ!!知り合いだろうが!」
『この体はお前だけのものじゃない。これ以上冷静にならねぇんだったら頂く』

そうだ、カナにも言われた……冷静になれ、落ち着け

二三度深呼吸をして冷静になる

「悪い、行くぞ」




〜会場〜

「組長、さっき外を見ると………」
「全員だと!?」
「どうしたんですか組長さん?」
「あぁなんでもない、お前は気にせずワシの元を離れるな」
「勿論ですよ組長さん」

組長と呼ばれた男は若い男の言葉に動揺するが、すぐに落ち着いて、側にいた女を抱き寄せた



バタン!!

「悪いが全員死んでもらう」

扉を蹴破り入ると全員の視線がこちらを向き、数人が拳銃を向ける。
そして組長と呼ばれて隣に高校生か新成人ぐらいの女を侍らした中年の男が話しかけてきた

「どうしたんだ坊主?来る場所を間違えでもしたのかい?」
「いや、あんたらを殺す目的だ」
「武偵三倍法で君は人を殺せないはずだよ」
「外見てこいよ、それに俺は武偵は辞めた」
「やはり外のは……撃て!!」

ダダダダダダ!!

「『水壁』」

サブマシンガンでも撃ったかのように拳銃の銃弾が飛んでくるが、水の壁の前にはただの鉄の塊に過ぎなかった
全ての弾丸は壁を貫通することは出来ず、全てが壁の中に収まった


「お返しだ!!」

バシャァァァッ!


銃弾を含んだ壁が弾け飛び、銃弾が周り放たれる。その速度は拳銃から撃ったそれと遜色のない速度だった
その銃弾を頭に受けた30人程の標的達が倒れ、6人だけ残る。

組長と呼ばれた標的の男、そいつが侍らした女、標的2人と部下1人。部下に関してはこの中で一番強そうだ。それと屋根裏で様子を伺っている奴

標的1人と組長に関しては恐怖でガタガタと震え、もう1人の標的は気絶し、女と部下は恐怖で震えながらもこちらを睨み、上の奴は以前動かない

「上の奴さっさと降りてこい。殺すぞ」

ガタン、

「よく、気付きましたね」
「その制服、武偵高生だな」
「学力主席の菅原さんですよね。その模範生の貴方は何をしてるんですか?」
「お前らは一年生Aランクトリオだろう?星川、木村、片山」

部下が動く。
「潤!!、今は敵だ、武偵が人を殺すわけがない!!」

トス

「ぐっ……なにしてんですか?遼太の戦兄なのに…」

片山が倒れる。胸には俺が刺したダガーナイフが突き刺さっている


「潤!、お前ぇぇぇ!!」
「悠、下がって!!冷静になってよ!!」

女、もとい星川が叫ぶが俺の左腕からでた水の槍に木村は貫かれ絶命する

「い、いやぁぁぁぁぁ!!………なんで、なんで潤と悠を!!」
「レザドの一年は起きている、アサルトの木村は殺したが」
「逃げろ、春……うぐぅ」

いきていた片山の首を締める。勿論、動く左腕で

「離せよ!離さなきゃ撃つ!!」

星川が組長から銃を奪い銃を構えるが腕が震えている

「止めて!何でもするから!!もう……殺さないで…」

星川の目から涙が溢れ、銃を下ろして懇願する。
そして、片山の手足がダランと垂れて死んだ

「逃げんなよ、お前」

ダン!

「うぁぁ!!やめてくれぇ!!殺さないでくれ!!この女の命ならやるから!」
「いや!!」

逃げようとしていた標的と組長を殺すともう1人の標的が星川のもとへ走り、星川を拘束した

「…殺せよ、殺してよ!!悠と潤を殺したように……。」

腕を拘束された星川は地面に這いつくばるがその目で睨みながら、悲痛な声で殺せと声を上げる

「『水球』」
「がっ!!」

水球で、星川を拘束していた男を吹き飛ばし気絶させる

「なんのつもりよ…」
「お前は大切な人を守ろうとした…力は及ばなかったとしても、最後まで抵抗出来るお前が羨ましいとも思う」
「死ねば意味が無いじゃないのよ」
「俺は今でも死にたい、死ねば良かったとも思う。そうすればこんな惨めな自分を見ずに済んだ。」
「なら死になさいよ!」
「死ねない。今は優姫がいてジャンヌがいる……だから死なないし、死ぬつもりもない」
「そんなの……ただの我が儘じゃない!!そんな理由で人を殺して…」
「ああ、我が儘さ。だから俺の下らない最低の我が儘で死んでくれ。どちらにしても、全てが終われば後は追うつもりだ」
「私は…絶対にあなたを許さない。私が死んでもあなただけは私が殺す」

引き金に指をかける。
星川はまるで呪ってやると言わんばかりにさらに強く睨む


パキパキ…

「なっ!?」

突如、足と銃が凍りついた
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