緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第15話 戦妹と訓練
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一真SIDE


俺は星伽を拉致するために一時的に借りているマンションに帰っていった

ガチャ
「ん?遅かったやん?どこ言って…」

バタン


あれ?なんであのアホがこのマンションに居るんだ?ここは一応東京武偵高に近いマンションでジャンヌしかいないはずなんだが?

本来ならジャンヌが出迎えるなりするはずだ
なのに、なんでシュウトのアホが居るんだ?
とりあえず理由を聞こう

ガチャ


「ただいま」
「お帰り、何してたん?」

シュウトの姿を確認する、そして俺は落ち着いてシュウトに銃口を向けて…

ダン!

「うわぁ!?な、何すんねん!?」
「うるさい不法侵入者、てめえ間に手を出しただろ?」
「え?涼ちゃん?あの子はええ子やで」
「お前のせいで模擬戦の相手にならないんだよ。だから死んで償え」
「八つ当たり!?」

とまぁ、理子の気持ちを踏みにじるアホを射殺したいところだが、防音壁ではないのでそう簡単に撃てない。

「で、なんでお前が居るんだ?」
「今回は厳しそうやからスナイパーの奴抑えといたるわ」
「お前の絶対半径いくらだ?」
「大体1900mくらいやろな」
「そのスナイパー2051mだぞ?」
「………キモッ!!ホンマに女子高生か?」
「あ、大丈夫だお前のほうが数倍キモい、つーかウザい」

というと分かりやすく落ち込んだ
理子から聞いた話だが、コイツはテンションが高い時の方がキリングレンジが伸びるらしい

「まぁせっかくだ、頼むぞシュウト」
「おう!で?どこいってたん?」

相変わらず立ち直りの早い奴だ

「防音壁を作る為の材料調達、今から20分で作るから手伝えよ」
「分かった」



〜20分後〜

「出来た、これで180dBまで完全防音だぞ」
「それってどんくらい?」
「ん?飛行機のエンジンが大体120〜130dB位だな」
「よく20分で出来たな。というか、パソコン5台とテレビ2台、スピーカー2台いつ準備してん?」
「これは今ジャンヌがキン……遠山と志摩の部屋に設置したカメラが映るようにしたんだ………っと映った」
「なんかお前凄いわ」


そのままシュウトに偽情報を教え追い出した
直後にジャンヌがカメラを仕掛け終わり帰ってきた

「おかえり」
「ただいま!と言いたいがシュウトが泣いて走っていったんだが何かしたのか?」
「気にすんな、アイツがアホだから直すトレーニングの一種だ」
「そ、そうか……ところでカメラと盗聴機はどうだ?」
「ああ、オールオッケーだが、浴室は良いのか?」

さすがにプライバシーもあったものじゃない、何よりアリアとか星伽が使いそうで怖い、まぁそれは脱衣室の音声で男子か女子を判断するか

「大丈夫だ、多分お前の想像通りにすれば問題ないだろう」
「ずいぶんな信用だな」
「それは、私の未来の伴侶となる男を信用しないことはないだろう」

と、赤くなりながら話すジャンヌ。こういう姿を見ると少しだけ安心する
お礼と共にジャンヌの頭を撫でる、予想以上にさらさらとした髪だった

「ありがとなジャンヌ。お前が居てくれると、心がなごむ」
「なっ!?……う、うむ…」

顔を紅潮させて俯くジャンヌ、こういう1面も可愛いと思う


そのままカメラのチェックしていると1台のカメラに反応があった。
両手でパソコンを操作してモニターをテレビに映すとキンジ以外に1人入ってきたようだ
あれは……星川か?


『初めまして、志摩先輩のアミカの星川春海です。』
『おう、どうした?』
『遠山先輩……私の初めて、貰ってくれますか?』

すると星川がソファの上に座っていたキンジをそのまま押し倒した

『な、なにいってるんだ?離れろ!』

当然だ、このままだとヒステリアモードが発動してしまうからな

『先輩、協力してください。あなたに捕まえてほしい人がいるんです』
『やめろ、厄介ごとに巻き込むな』

と目を逸らしながら言う

『先輩には拒否権はありませんよ』
『はっ?』

すると星川はキンジの耳元で何かを言ったみたいだが、死角で読唇術が使えず音も拾えなかった

『お前どこでそれを?』
『さぁ?、手っ取り早くなりますか?』

そう言ってキンジの手を掴み自分の胸に当てた……やり過ぎじゃね?

『ダメだよ子猫ちゃん、そういう事は心の底から好きな人としないと』

キンジは"なった"……なったって確か星川も言っていたな、なら星川もヒステリアモードを知っていたのか?
その確率はかなり高いな


『ふふふ、待ってましたよキンジ先輩。貴方に依頼があるんですよ?』
『何かな?君みたいな可愛い子猫ちゃんがそんな哀しい目をしてるんだ、何でも言ってよ』


キンジが催促すると星川は安堵したような表情を浮かべ、再び誘うような表情をして言った


『菅原一真を逮捕して下さい』
『……分かった、一真を捕まえればいいんだね?』


その後二三言話して星川は帰って行き、入れ違いで亜瑠も帰ってきた


さて、なら作戦の打ち合わせだな。俺は左腕のメンテをするために一度アレクの研究所に帰らなきゃいけないから実行するならアドシアード直後か少し後になるな

「ジャンヌ、基本的な作戦は今まで通り1人になった時に捕獲。仲間がいる場合は引き離すもしくは気絶又は戦闘不能状態にする」
「ああ、分かっている」
「第一の注意人物は遠山キンジ、次に神崎アリア、レキ、志摩亜瑠の順だが、亜瑠の様子がおかしくなったら直ぐに逃げろ。アイツは【無】自体だからな」

最後の部分はジャンヌに聞こえない様に言った

「レキはシュウトが抑える、キンジは特別なモードがあるから気を付けろ。アリアは言わずともSだからな。そして亜瑠は人脈をフルに活用する可能性がある」
「フルに使うとどのくらいの人が集まる?」
「上手くいけばA〜Cランクを15人は集めてくる、退路は確保しておこう。で、警戒は最大限にしておくべきだな。相手は常に予想を上回る事をしてくる。特にキンジが関わると絶対が絶対じゃなくなる可能性があるからな」

「ああ、それで実行はいつだ?アドシアード中か?」
「いや、俺が帰って来てからになる」
「なら私だけでやろうか?」
「駄目だ!!!作戦で警戒を解いたり、不仲にさせるぐらいならまだしも実行はするな、危険だ」
「なっ!?私じゃ出来ないと言うのか!」

落ち着け、ここで怒鳴りあうのは得策じゃない

「いや、……怒鳴って悪かった。そうは言ってないんだ」
「いや、こちらも…悪かった」
「お前に捕まって欲しく無いんだ。それに、星伽を引き込んだら……その、デートしないか?初デート」
「デ゛デデデート!?あ、逢い引きか?」

耳の先まで赤くなりながら聞き返す。この前作ったネックレスもプレゼントするか、ジャンヌにぴったりだし喜ぶ顔が目に浮かぶ

「ああ、約束な。任務が終わって次会うときはデートだ」
「デート、そうか、デート…フフ、あ、逢い引き……」
「って訳だ、じゃあ俺はメンテに行ってくるぞ」
「う、うむ。またな」


ブツブツ呟いているジャンヌをそのままにしてイ・ウーに向かった。

もしかしたら、俺はジャンヌとなら生きていけるかもしれない。楽しく、幸せに

…いや、俺にそんな権利は無い…か。
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