緋弾のアリア 〜守護者とFランク武偵〜

□第17話 魔剣と鉄球ロボ
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亜瑠SIDE


現在、二段ベッドの上で寝転び下にはキンジが寝ている

「……」
「……」

く、空気が物凄く悪いじゃん!!
ちょっ!?キンジなんか喋ってよ!!

「なぁ亜瑠」

不意にキンジが喋る

「ん?」
「アリア、警備から外れるのか?」
「さぁ?わからないけど。なに?謝ってやっぱり一緒に行動するの?」
「いや、アリアがいないなら居ないなりに動けば良いだけだ」
「ふーん」

今の僕にはキンジのしたいことが分からない。
白雪さんを守るならSランクのアリアが居れば守りやすいに決まっている。性格的に多少の我慢は必要だけど…
でもキンジは僕らだけで守ろうと言っている。
実際アリアは離れるフリだろうけど、そんな作戦が一真に通じるとは思えない。ましてや、魔剣は情報だとかなり複雑な作戦をしてくる。相当頭が切れるはずだ。

まぁなんにせよ――


「このまま仲悪いままってどうなの?」
「知らん、悪いのはアイツだ」
「アリアの性格知ってるでしょ?」
「それでもだ。あそこまでスパルタだと、忠犬ハチ公だって飛んで逃げるぞ」
「強情だねぇ」
「ふん。」


そういう所って治した方が良いんだろうな


「なぁ亜瑠。」

さっきとは違うトーン

「一真は…生きてると思うか」
「思う」

断言できる。多分クレシアさんの情報を知る前でも断言できただろう

「だって一真だよ?」
「なんだよその理由」
「だってあの完璧人間だよ?」
「まぁな」
「そういえばキンジって入学試験で一真と戦わなかったっけ?」
「戦ったな、引き分けだったが……超能力(ステルス)無しで」

キンジは入学試験で一真と戦っている。場所は廃ビル、ちなみに僕はビルの崩落に巻き込まれて失格。
土下座なりなんなりして何とか強襲科になった

「もう寝よ、僕明日早いんだ」
「また射撃練習か?腕痛めるぞ?」
「大丈夫。ナッツの湿布薬あるし、おやすみ」
「ああ、おやすみ」





その日僕は夢を見た。



よくわからない廃工場というか、廃倉庫か…
そこに僕と一真、キンジにアリア、レキさん、白雪さん、中空知さん、そして見たことがない女の子、長い銀髪の白人の美少女。

銀髪の子は味方で敵は一真。

なんで一真が僕達と戦っているの?

夢の一真は紫色の髪の毛で腰まで伸びていた

一真、何してるの?なんで白雪さんにステルスを使ってるの?それ、壁を壊すぐらい強い威力だよ

一真は自らの周りにサッカーボール大の水が幾つか周りを廻っている。よく見れば一真は無傷。僕らは満身創痍


「一真!!戻ってきてくれ!!」

銀髪の女の子が叫ぶ
戻る?あれは一真じゃないの?
じゃあなに?

銀髪の女の子は一真に抱きつく。途端に一真が纏っていた水は凍る
ステルスかな?



「一真!帰ってきてよ!」

自分の口が勝手に動いた、でもこれは自分の意思だろう
そしてこう聞こえた


『亜瑠、ごめんな』と



「一真ッ!!……なんだよ、夢か」

目覚めると寝汗が酷く、そしてセットしていた目覚ましも夜中の3時過ぎを指していた

「おはよう亜瑠、だいぶうなされてたぞ」
「おはようってまだ3じ……」

窓をみるといつも僕が開けるカーテンが開いていて朝日が指していた

「とっくに過ぎて今は7時半だぞ」
「そう…朝練はなしだね。シャワー浴びてくる」
「ああ」


さっきの夢は何だったんだろ?
夢というのは記憶の中にある人物しか出てこないと聞いたことがある。でも僕は銀髪の少女を知らない。
外国には一度だけ行ったが銀髪は見ていない。クレシアさんは金髪だ

「まぁいいや、それよりアドシアードは今日。十分警戒しなきゃ。」


そう、警戒をしていた。
連休中と同じように最後の休みも変わらず警戒をして、変わらずになにもなかった。

しかし自分にはそれが嵐の前の静けさのように感じていた
なにか、胸騒ぎがすると…




朝8時50分SHR

「はい、というわけで今日はアドシアードです。授業は2科目、一般教科と専門学科です。アドシアードは正午に開始をします」

高天原先生がそう言ってそのまま授業に入る。

魔剣と一真。動くなら今日だ



午後2時アドシアード会場

「おう、志摩。交代か?」

会場警備のシフトが回ってきて、先輩で強襲科Aランクの武島慧と代わる

「はい、魔剣の件は作戦通りでお願いします」
「了解。適当な所で待機しておく」


作戦を確認して警備に集中する



4時30分


警備を終えて30分。どうにも落ち着けなかったので、反動の少ないペイント弾で射撃練習をしていた。


ってか、ペイント液の量多いなぁ
ピンクに染まった的を見ながら小さく呟く

ブーッブーッ!

携帯がメールを着信する


『ケースD7』

「ついに来たね、魔剣」

それと同時に狙撃科Bランクの岡倉総一先輩にメールをする
『作戦決行、侵入ポイント分かりますか?』

数秒で返信が来る

『敵は恐らく1人、侵入ポイントはH、Iのどちらか。念のためポイントHの監視をする』

1人?風貌は分からないけど一真はさすがにそこまで無謀な事はしないはずだ…
となると敵は魔剣1人。既に白雪さんは拉致された。

携帯の電話帳から先程の武島先輩に電話をする

「ケースD7です。作戦を決行します。先輩は警備班のリーダーお願いします。副は岡倉先輩です。ポイントH、F、特にFの警備を厚くお願いします」
『待て、厚くするならHじゃないのか?』

確かに侵入されたかもしれないHを埋めるのは間違いではない。
乗って来た乗り物を置いている可能性があるからだ。
だが魔剣に限ってそれはない。相手は三流の犯罪者ではない。

「先輩、相手は魔剣ですよ」

そんな安直な策で来るはずがない

『了解だ。どこから集める?』
「A、Bの配置を諜報科1人ずつと狙撃科1人ずつ。そこに配置予定の強襲科をCランク2人をH。A、Bランク6人をFに配置。DEIは封鎖が完了しました」

DEIは蘭豹先生、綴先生、南郷先生の許可を貰い防護壁を閉じてもらった

『了解、さすがの人望だな志摩』
「いえ、これぐらいしか出来ませんから」
『謙遜するな、武偵にとって人望は多きな武器だ』
「ありがとうございます。では現場の指揮は任せました」
『ああ、』


電話を終え、銃を腰につけたホルスターに収め、Aポイントから地下に入る。ケースD7の周知メールが来た時にキンジにメールをしたが返信がない。一体何をしているんだよ、キンジ

レキさんにキンジの事をメールして、全体的な監視を頼んだ


〜Aポイント〜

「やぁ服部君、わざわざごめんね」
「いえ、これで先輩に会えるんですよね?」
「確かかはわからないけど」
「今は少しでも希望が欲しいんです。潤を…片山を殺した理由を知りたいんです」
「そうか…じゃあ僕は直接会いに行くよ」
「私は私の役目を果たします。」
「うん、よろしく」


そうして魔剣の捕獲、白雪さんの奪還。
なにより、一真を説得して武偵校に帰す作戦が開始された。
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