十三代目の思い出
□別れと
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キュポ、という音と水音が聞こえた。
奈津からは少年の体で前が見えないが、墓石に酒をかけたのだと思った。
少年はしばらくじっとしていたが、一升瓶にキュッと栓をして一歩下がった。
奈津の左側に立った少年の横顔はいつもより幼く、寂しそうに見えた。
奈津はやはり、声をかけることができなかった。
ただ黙って墓石を見つめていた。
その時、ふっと左手が温かくなった。
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