アイス

□恋しい
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恋しい




「カイトとは定期的に歌っておいた方がいいよ」
「はぁ?なんで」
「んー……暴走するから?」
「あのおっとりしてんのが?あり得ないね」

せっかくスミレに忠告してもらっていたのに、これじゃあ意味がない。何で信じなかったんだよ俺!今更悔やんでも仕方ないけれどこの状況からどうすれば逃れられるのか全く思いつかない。

「……マスク邪魔」

そう言ってカイトは俺のマスクを外そうと手を伸ばしてきた。

「ちょっと、とるな!」
「何で」
「駄目なものは駄目だ!」

何もしないなら構わないが、そんなわけがない。

「えー……だってキスできない」

ほら見ろ。ろくなことじゃない。確かに恋人だとかなら押し倒して上に乗り上げてキスしたいって言っても不思議はないけど……恋人でもなくしかも暴走で襲われてそれはおかしいだろ!

「退け」
「やだ。それ邪魔」
「あっ……ちょ、待っ」

なんとかカイトを退けようとしたが力が足りず、挙句マスクもとられてしまった。

「んっ……ぅんんーっ」

唇に温かいものが触れたかと思ったら口をこじ開けられた。
そのまま舌がぬるりと這入ってくる。

「ふ……ぅっ、ん、はぁっ……ちゅっ…んぅ」

くちゅくちゅと卑猥な音が、自分から発せられていることに羞恥で赤くなる。

「んー…甘い」
「ぁ……は、あ」
「じゃあ、イタダキマス」
「ふぇ?」

キスだけなのに既に頭はちゃんと機能していなくてぼんやりとカイトを見ていた。

「あんっ!!」

な、に?
自分の声にビックリしてカイトを見ると、ニヤと笑って俺の体に這わせた手をさらに動かし始めた。

「ジェネラル、感度いいね。真っ赤な瞳が濡れてる」
「ひゃぅっ!……や……あっ、やめ」
「ぜーんぶタベテアゲル」
「ああああッ!やぁっ、ひぅ…んんーっ…あ、ぁあ!」

止めようとする両手は空を切るだけで、ついにはカイトに掴まれてしまった。ぐいぐい膝で中心を刺激してくるうえに、さらに深いキスを仕掛けてくる。
キスから解放された時には、服はほとんど脱がされていた。そんな簡単に脱げる服じゃないのにいつの間に、なんて余計なことを考えるのはもはや現実逃避だ。

「ひゃああああんッ!!!」
「考え事なんて許さないよ?」
「やぁ!だめ!!ふあッ!あ……ああっ」
ビクビクと反応する体が恨めしくて、けれど抗うなんてできなかった。

「そろそろイク?」
「は……あ?ふぅっああーッ!あ、やあぁぁんっ!!!!」

あっけなく達した俺はもう考えることさえ放棄した。

「ホントに感度いいねー。こんなんで最後までもつかなぁ」
「んんっ……なに?」
「こっち、慣らさないと入らないでしょ?」
「え?…………ひゃっ!ぃたっ……やぁ!やめてっ」
「まだキツイか…………ねぇジェネラル、これ、気持ちいい?」
「やぅ……ぁぁん……は、あぁ…きもち、い」

自分が何を言ってるかもわからなくなってきた。体中弄られて、熱くてたまらない。

「ちょっと解れてきたかな……?じゃあそろそろ」
「はぅっ……あ、あぁっ」
「まぁこんなものかな……ジェネラルはどこがいいかなー?ここ?それとも」
「ああぁぁあぁ!!」
「こっちみたいだね」
「やああぁぁ!なにっ、やだ!あぁああぁぁあ!!そこっやああぁあぁぁ!!!」

突然今までとは比べ物にならない快感が押し寄せる。
嫌だ嫌だとにげようとしても腰はしっかりとカイトに掴まれている。

「んああぁぁあぁああぁぁあ!!!!」

再び果てる俺に構わずカイトは続ける。
「もっ……や!やだぁ……ゆ、してっ……あんっ……ひゃあっ」
「…………ごめんね」
「やあぁぁんっ」
「……ごめん、ジェネラル」

カイトが悲しそうな顔をするから。
思わず、緩く掴まれていた腕を動かしカイトを抱き寄せた。

「だぃ……じょぶ」
「……!」
「ね……キス、して?」

どうか、これで伝わりますように――








「動けない……喉痛い」
「……ごめんなさい」
「…………歌って」
「え?」
「回復したら、一緒に歌うから、練習しとけ」
「…………うん!」



END

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