鬼滅の刃

□幸せになろう、善逸
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「待っ、…そうだ!宴!今頃皆宴の最中なんじゃない!?炭治郎も行ってこいよ!」
身を捩りながらも尚そんなことを言うから、ぐにっと力強く尻を揉み込んだ。

「…めっ…、ぇぇっ…!」
昨夜の記憶が残っているのか、善逸の陰茎が熱を帯び始める。
もとより俺のそれは、情欲のためか怒りのためか、先ほどから張り詰めた怒張を善逸の前に曝け出している。

「あちらへは行かない。善逸を置いて行けるわけもない。善逸が俺と共に行くというのなら、考えてもいい」
「…炭治郎が行かないとっ…!ゃんっ…!?…みんな、へんに、思うだろっ…!」
ふるふると頼りなさげに揺れる男根を握り込めば、善逸の体から香る匂いが更に甘さを増していく。
…もっと。もっとだ。昨夜の匂いはこんなものじゃなかった。
善逸の匂いがどれほどまでに甘くなるのか、艶を帯び艶めかしくくゆるのか。すでにもう俺だけはその匂いを知っている。
ぺろりと舌なめずりをすれば、善逸の瞳がひくんと熱に浮かされていく。

「…問題ない。俺たちのことは皆知っている。今朝来ていた人達には、善逸と結ばれたことは言ってあるからな。俺の気持ちはとうに知られていたから、皆喜んでくれていたぞ」
「え…?は…?…はぁぁ?!嘘すぎじゃない?!」
「逃さない、という宣戦布告だ」
「誰に対してよ?!」
「もちろん、お前にだ」
「意味がわからないからね?!」
「大丈夫だぞ。これから徐々に覚えていけば良いんだ。…差し当たっては、体から理解して貰う」
「待って…!ねぇ本当に待って!」
「待てない。もうこれ以上待てない。もちろん逃がす気はない。覚悟を決めて貰うぞ」
「何の覚悟よ?!」
「俺と添い遂げる覚悟だ」
「ゃあっ?!」

太腿を撫でられ、善逸がびくりと体を震わす。
「ゃ、やだよぉっ…!」
「そうだな。縛ったままでするのはどうかと思っていたんだ」
「ちがっ…!」
するりと紐を引き抜いて、白い脚に舌を這わせる。

その鍛え上げられた左足をひょいと抱え、自身の肩へと載せていく。
「何やってるのさぁ?!」
「逃げられないようにしている。…絶景だな」
足の間を余すところなく曝け出させ、それを視線で嬲っていく。

「…はぁ?!お前頭おかしいだろ…!」
「ここに、痕が残っているのがわかるか?」
「知らんよっ!見えないだろそんなとこっ!」
「昨夜、俺がつけた吸い痕だ」
「なっ?!」
「これからもたくさん刻み込んでいくからな。古い痕が消える前に、新しい痕を刻み込む」
言うと同時に吸い付いて、赤い痕跡を刻んでいく。
「あぁそれから、俺の体にもまた痕をつけて欲しい。何度も何度も、消える前に。善逸に愛されている証が欲しい」
「…ちょっと、たんじろ…!」
熱を帯びた声に煽られるように、後孔へと濡らした指を挿し込んでいく。
「あぁ。…昨夜散々したからな。…まだ、充分に柔らかいぞ」
「…ゃっ…!?」
つぷりつぷりと間を置かず指を2本挿し込めば、善逸がはくりと口を蠢かす。
「好きだ。愛している。…1回きりでお仕舞いだなんて、耐えられるわけがない」
ぬちゅりと3本目の指を挿せば、柔らかな肉壁が、誘い込むように俺の指を飲み込んだ。

「善逸は俺と共に暮らす。そして生涯添い遂げる。…そう決めた。だからもう、善逸も色々なことを諦めてくれ」
そう言いながら、張り詰めていた怒張を一息に善逸の中へと埋め込んでいった。






散々に嬲り尽くされ、善逸がぐったりとした体を蒲団に沈み込ませている。
その体を抱き込むようにして、1つの蒲団を2人でかぶった。
まろい頬を撫で、髪を梳き、体中に口付けを落とし込む。

「覚悟は決まったか?…善逸が覚悟を決めてくれるまで、何度でも抱くつもりでいるのだが」
「…これ以上されたら俺が死んでしまうぞ…」
「その辺りは加減する。…もう二度と、黙っていなくなるなんて真似をしてくれるな。…俺の方が心臓止まるかと思ったんだぞ」
「…なんでよ…」
「それは俺が、善逸のことを愛しているからだな」
どやさ、と胸を張る。

「…なんでいつも炭治郎、俺の前でもそうやってお兄さんぶってるのよ?」
「違うぞ。俺は善逸のお兄さんになりたいわけじゃない。伴侶になるんだから」
「…とんでもねぇなお前…」
がくりと力が抜けていく体を、優しく撫でさすっていく。

「善逸…。もう黙って居なくなったりしないでくれ。何かあれば都度俺に言ってくれ。…何も持たずにいなくなられては、俺だって辛い」
「何もって言われても。俺、自分のものなんてこの隊服と日輪刀くらいしか持ってないもの」
哀しみの匂いすらさせず、てらいもなくそんなことを言う。

「そうか。…これからはたくさん着物を仕立てような。禰豆子も仕立てるのを楽しみにしているぞ」
「えっ?!禰豆子ちゃんが!?天女なのかな?知ってたけど天女なのかな?!」
嬉しそうに顔を綻ばせているから、つられて俺も笑ってしまう。

「家に戻れば、父さんたちが着ていた着物もある。当面はそれでしのいでいこう」
「そっかぁ。家に戻れるんだな。…良かったなぁ、炭治郎。お前、頑張ったもんなぁ。これからはたくさん幸せになるんだぞ」
「お前も一緒に帰るんだが?」
「はぁ!?」
「さっきからその話をしている。一緒に帰ろう。山の上で不便な場所ではあるが、善逸の足なら問題ないはずだ。山の暮らしは大変なんだ。畑を耕したり、木を切って炭を焼いたり。仕事はいくらでもあるぞ。…それらを全て、俺と禰豆子だけにさせるつもりか?俺が炭を焼いている間、禰豆子が独りで畑を耕すのか?それでその間、お前は何処で何をしようと言うんだ?」
「ひ、…」
「ひ?」
「…卑怯者っ…!!禰豆子ちゃんの名前を出せば、俺がいくらでも畑を耕すと思ってるんだろ…!はいはい大正解ですよ…!禰豆子ちゃんのためなら、一反でも二反でも耕して見せる!当たり前だろうがっ!」
「あぁ。知ってるぞ。…でも善逸は、そんなに大好きな禰豆子より、俺を選んでくれたんだろう?」
くすりと笑むと、善逸の顔が真っ赤に染まる。
羞恥の匂いを色濃くさせて、ふいっと体を反転させて向こう側へと向いてしまう。

「…本当に嫌なら、そう言ってくれ。まぁ、善逸の匂いは嫌がっていないと分かるんだが」
「…嗅ぐなよお前」
「仕方がないだろう?こうして嗅いでおかないと、善逸は自分を大切にしてくれないから。…いつだって、自分のことを後回しにして他人のために体を張ってしまう。…俺はそれが辛い」
「…1回で良いからって言ったのに、こんなに抱き潰してきた奴が何言ってるのよ…」
「そうだな。俺の我侭なんだが。…善逸には自分を大事にして欲しい。その上で、俺に対しては少し譲って欲しいと思っている。…例えば、こうして何度も睦み合いたいと思っているときなんかには」
「…お前ね…。それで俺が折れると思ってるのかよ」
「あぁ。それについては自信があるんだ。…俺は善逸のことを愛している。…善逸も、俺のことを愛してくれているんだろう?」
問いながら背中を撫でると、その肌に朱が上る。

「…四角四面の炭治郎が、まさかあんな顔して抱いてくるとはな。あんな顔を見ることが出来たなんて、俺は果報者だよ。…過分なほど抱かれちまったけどなぁ」
花が綻ぶような匂いがふわりと立ちこめ、たまらず自身も相好を崩す。

「そうだな。…幸せになろう。善逸」 


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